リクルーティング ピックアップ 公開日:2024/04/15 更新日:2024/04/15

採用活動に口コミはどう影響する? 企業がとるべき対応策

採用活動に口コミが与える影響とは、企業の悪い口コミなどによって候補者が応募を取りやめてしまったりすることを指します。 当記事では、採用活動に口コミが与える影響、実際の事例や、口コミを改善するための手法の導入方法について、お伝えします。


口コミサイトが利用されている状況

転職活動で口コミを参考にする候補者の割合

転職活動において口コミを参考にする候補者は非常に多く、2019年のエン転職による調査では、転職活動中に企業に関する口コミを見ると答えた人の割合が89.1%に達しています。この結果から、多くの転職希望者が企業選びの重要な基準として実際の従業員からの評価を高く評価していることが明らかになります。

口コミ情報は、企業の公式発表や求人広告では得られない、実際の労働環境や社内文化、キャリアアップの可能性など、リアルな情報を提供します。そのため、転職者はこの情報を利用して、自分の価値観やキャリア目標に合致するかどうかを見極めるための判断材料としています。実際に従業員が経験した業務内容や職場の雰囲気、上司との関係性など、口コミはこれらのリアルな情報を提供する貴重な手段です。

このように、転職者が口コミ情報を重視する傾向は、企業にとっても重要な指摘となります。企業は自社の評判管理に注意を払い、求職者が求める情報を提供するとともに、必要に応じて職場環境の改善やコミュニケーションの強化に努めることが求められます。また、ポジティブな口コミを増やし、ネガティブな内容には適切に対応することで、企業の魅力を正確に伝え、優秀な人材を引き付けることができるのです。

就職活動で口コミを参考にする就活生の割合

就職活動中の学生が企業についての口コミを参考にする割合は非常に高く、調査によれば93.5%の学生が「見た」と回答しています。この数字は、現代の就職活動において学生たちが企業選びを行う際に、口コミ情報を重要な判断材料としていることを示しています。学生たちは、公式な企業情報だけでなく、現役従業員や元従業員からのリアルな評価を求めており、これにより職場の実際の環境や文化、働きがいなどの内部の詳細を把握しようとしています。

口コミ情報が重視される背景には、学生たちが自分の価値観やキャリアの目標に合った企業を見つけたいという願望があります。職場の雰囲気、キャリアアップの機会、教育・研修体系、福利厚生などの情報は、学生にとって入社後のイメージを具体的に描く手助けとなります。特に、企業文化に対する評価や上司との関係性など、直接的な労働経験に基づく評価は、学生が企業選びにおいて重要視するポイントです。

このため、企業側では自社のポジティブな面を正しく伝えると同時に、口コミに対する適切な管理と対応が求められます。ネガティブな口コミが存在する場合は、それにどのように対応しているのかを明確に示し、改善策を講じることが重要です。これにより、企業は誠実さと改善への取り組みをアピールすることができ、学生の信頼を獲得することが可能となります。

最終的に、口コミ情報は就職活動を行う学生にとって不可欠なリソースであり、企業が良好な評価を得るためには、職場環境の改善、透明なコミュニケーション、従業員満足度の向上に努めることが必要です。これらの努力が結集し、良質な口コミを生成することが、企業にとって長期的な成功につながるのです。

就活生は転職者向けの口コミも見ている

就職活動を行う学生たちは、自身のキャリア構築に有益な情報を得るために、転職者向けの口コミサイトも活用しています。これは、ただ新卒採用の情報を得るだけでなく、将来的なキャリアパスや企業の長期的な働きがいについての洞察を求めるためです。転職者が残した評価やコメントは、企業が職場環境や成長機会、福利厚生をどのように扱っているかについての貴重な情報源となります。

これらの口コミから、学生たちは企業が職員に対してどの程度のサポートを提供しているのか、キャリアアップの機会は豊富にあるのか、また企業文化が自分の価値観と合致するかどうかを評価します。特に、長期的なキャリアを見据えた場合、企業の持続可能な成長と従業員の福利厚生の状況は非常に重要です。

また、転職者のコメントはしばしば、企業内の実際の問題点や改善点がストレートに記されることが多いため、学生たちはこれを参考にして、表面的な企業のイメージだけでなく、より深いレベルで企業を理解しようとします。その結果、自分自身のキャリアにとって最良な選択を行うための基盤が築かれます。

転職者向けの口コミを参照することにより、学生たちは企業が直面している課題や成功事例について学び、それを自己のキャリア形成や選択肢の評価に活かしています。これにより、単なる就職先選びではなく、将来的なキャリアパートナーとしての企業を見極める助けとなっているのです。

口コミが採用活動に与える影響

良くも悪くも応募前後のフェーズすべてに影響する

口コミが採用活動に及ぼす影響は、応募の前後を問わず非常に大きいです。特に現代の求職者は、企業に応募する前にインターネット上での評判や口コミを確認することが一般的です。これらの情報は、応募者の意思決定に直接影響を与え、企業のブランドイメージを形成する重要な要素となっています。

応募前の段階では、特に労働条件が悪いとの口コミがある場合、求職者はその企業への応募を見送ることがあります。例えば、過剰な残業、不適切な管理、職場環境の悪さに関する否定的なコメントは、求職者にとって大きな警告信号となり得ます。このような情報は、企業に対するネガティブな先入観を植え付け、優秀な人材が他の選択肢を探す原因となります。

一方で、応募後の段階では、良い口コミが求職者に安心感を提供します。企業が提供するポジティブな労働環境、キャリア成長の機会、充実した福利厚生に関する肯定的な口コミは、求職者が自分の選択に満足し、応募プロセスを進める際のモチベーションを高める効果があります。また、すでに応募を行った企業について他の従業員からの好意的な評価を読むことで、企業に対する信頼感が増し、面接や選考のプロセスにおいても前向きな姿勢を保つことができます。

これらの事例から明らかなように、口コミは採用活動における非常に影響力のある要素であり、企業はこれを意識し、良好な職場環境を維持することでポジティブな口コミを促進し、結果として優秀な人材を引きつける必要があります。そのため、口コミ管理は現代の人事戦略において重要な位置を占めています。

口コミサイトへの対応策

情報に誤りがあれば削除依頼をする

口コミサイトに掲載される情報は、企業のブランドイメージに大きな影響を与えるため、誤情報が存在する場合、その対応策は非常に重要です。誤りがある情報を放置すると、企業の評判が不当に損なわれ、それが採用活動やビジネス全般に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、企業は誤情報に対して削除依頼を行うことが一つの有効な手段となります。

削除依頼のプロセスは、まず誤情報がどのようなものであるかを正確に特定することから始まります。具体的な誤りや、その情報がなぜ誤っているのかを明確に説明できる必要があります。次に、その口コミサイトの運営ポリシーを確認し、削除依頼のための正しい手続きを踏むことが重要です。多くのサイトでは、誤情報に関する削除依頼を受け付けるためのガイドラインを設けています。

削除依頼を行う際は、冷静な態度でコミュニケーションを取ることが望ましいです。感情的になることなく、事実に基づいた客観的な理由を提示し、誤情報が削除されるよう求めるべきです。また、削除依頼が認められない場合でも、その口コミに対する公式な回答を投稿し、誤情報を正す努力をすることが可能です。

さらに、誤情報に対処するだけでなく、企業は正確で透明性のある情報を自ら積極的に発信することにより、誤解を未然に防ぐことも重要です。自社のウェブサイトやソーシャルメディアを通じて、企業の正しい情報や最新のニュース、改善策などを定期的に更新し、公開することで、口コミサイトの誤情報の影響を最小限に抑えることができます。

最終的に、誤情報に対する迅速かつ適切な対応は、企業の信頼性と信用を保つ上で不可欠です。企業が積極的に情報の正確性を追求し、公正に対応することが、長期的に良い企業評価を維持する鍵となるでしょう。

企業コメント機能を活用する

口コミサイトにおける企業コメント機能の活用は、採用活動において非常に効果的な戦略です。特に、悪い口コミに対して企業がどのように対応しているかを示すことは、企業の透明性と責任感をアピールし、求職者や将来の従業員に対する信頼を築く上で重要です。

悪い口コミが投稿された際に、企業が積極的に返信を行い、問題の解決や改善のためにどのような措置を講じているかを具体的に説明することは、多くの利点をもたらします。このアプローチは、企業が従業員のフィードバックを真摯に受け止め、それに基づいて環境やポリシーを改善しようと努力していることを公に示す機会となります。例えば、過剰な残業が問題とされた場合、残業時間の削減を目指す新しい取り組みや、ワークライフバランスを支援するためのプログラムを導入していることを返信に記述することができます。

このような公開された対話は、その企業が問題に対処する意志があることを示すだけでなく、他の潜在的な応募者に対してもポジティブな印象を与えることができます。求職者は、企業が直面している課題を認識し、それに対して前向きに取り組んでいる様子を見ることで、その企業が従業員の意見を尊重し、良好な職場環境を提供しようとしていると感じることができます。

さらに、これは企業のブランドイメージを強化し、良好なエンプロイヤーブランディングの一環となります。透明性と対話の促進は、企業が持続可能な運営を行っており、従業員およびその意見を重視していることを強調するための鍵となります。このように、企業コメント機能を通じた積極的な対応は、潜在的な批判を機会に変え、企業の評判を向上させる効果的な手段となるのです。

企業情報や採用情報を積極的にアップする

口コミサイトでの企業の評判管理において、企業自身が積極的に正確な企業情報や採用情報をアップデートすることは極めて重要です。これにより、求職者が正確かつ現状に合った情報に基づいて判断を下すことが可能となり、誤解や不確実性を減らすことができます。

まず、企業は最新の企業ニュース、イニシアティブ、採用プロセスの詳細、職場文化に関する情報などを定期的に更新する必要があります。これにより、求職者は企業が直面している課題だけでなく、達成している進歩や成功も理解することができ、よりバランスの取れた視点から企業を評価することが可能になります。

特に採用情報に関しては、求職者が最も関心を持つ部分です。したがって、採用プロセスの透明性を確保し、応募要件、選考プロセス、採用基準など、詳細な情報を提供することが重要です。また、福利厚生、キャリアアップの機会、研修プログラムなど、従業員に提供している価値を明確にすることで、企業が求職者のキャリアと個人的成長をどれだけサポートしているかを示すことができます。

このような情報の提供は、潜在的な応募者が企業について知る最初の窓口となることが多いため、口コミだけでなく、企業自身からの直接的な情報提供が、求職者にとって非常に有益です。企業が自らの手で情報をコントロールし、更新することで、不正確な情報や古いデータに基づく悪い評判を事前に防ぐことができます。

さらに、正確で透明性の高い情報は企業の信頼性を高めるため、企業が口コミサイトでどのように表現されるかにも肯定的な影響を与えます。結果として、企業は良質な人材を引きつけ、採用活動の成功率を高めることが可能となるのです。

面接官トレーニングを実施する

口コミサイトにおける悪い評価の中で特に多いのが、面接プロセス中の不快な体験に基づくものです。面接官の振る舞いや質問の仕方、面接の進行が候補者に与える印象は、その企業の全体像を左右する重要な要素となります。このため、面接官トレーニングを実施することは、採用活動の質を向上させ、悪い口コミを減少させる効果的な対策となるのです。

面接官トレーニングは、面接官が候補者に対して適切な態度で接すること、質問が職務に関連していて公平であること、候補者の話を注意深く聞く技術を身につけることを目的としています。面接官が礼儀正しい振る舞いをすることは、候補者が企業に持つ全体的な印象を良くするために非常に重要です。トレーニングを通じて、面接官はどのようにしてストレスの多い状況でも冷静を保ち、ポジティブな対話を維持するかを学びます。

さらに、面接官のトレーニングプログラムには、多様性と包摂性を尊重する方法や、無意識の偏見を理解し避ける方法を教える内容を含めることも重要です。これにより、すべての候補者が公平に扱われ、尊重されていると感じることができます。面接官がこれらの原則を実践することで、候補者は企業が多様な才能を価値あるものと見なし、公正な評価を行っていると感じるでしょう。

面接官のトレーニングを強化することで、面接プロセスが改善され、候補者に与える印象が向上します。これは口コミサイトでの評価の改善に直接的に寄与し、結果として企業のブランドイメージが強化されることにつながります。候補者が持つポジティブな体験は、新たな才能を引き付け、企業の競争力を高めるのです。

まとめ

採用活動において、口コミは企業のイメージを形成し、候補者の応募意欲に直接的な影響を及ぼします。ポジティブな口コミは企業の魅力を高め、より多くの才能ある候補者を引き寄せますが、ネガティブな口コミは企業の評判を損ね、優秀な人材が他の選択肢を検討する原因となることもあります。そのため、企業は口コミに対して積極的かつ戦略的に対応することが求められます。

まず、企業は定期的に口コミサイトをモニタリングし、社内外の認識を把握することが重要です。このデータを基に、改善すべき点や強化すべき強みを特定します。悪い口コミに対しては、透明性を持って対応することがカギです。具体的な改善策や対応状況を公表し、問題に積極的に取り組んでいることを示すことで、企業の信頼性を回復させることができます。

次に、企業は自らのポジティブな情報を積極的に発信することも重要です。成功事例、社員の声、社内イベント、福利厚生の詳細などを積極的に共有し、ポジティブな企業文化を前面に打ち出すことが効果的です。これにより、求職者に対して企業の魅力的な側面を積極的にアピールし、良い口コミを自然と増やすことが可能になります。

また、企業は従業員とのコミュニケーションを重視し、彼らの意見やフィードバックを真摯に受け止める体制を整えるべきです。従業員が満足して働いていることは、自然と良い口コミを生むため、内部の満足度を高めることが外部の評価を向上させます。

最終的に、企業が口コミと正面から向き合い、積極的に良い影響を与えるための措置を講じることで、採用活動を成功に導く良好な環境を創出することができます。これらの対策を通じて、企業はより魅力的な雇用主としての地位を築くことができるでしょう。


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筆者:ナンバーズ株式会社

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