採用ブランディング ピックアップ 公開日:2023/07/24 更新日:2024/03/31

採用ブランディングの重要性と成功のための戦略

【この記事の目的】※この記事は5分で読めます。 採用ブランディングとは何か?どんな効果があるのか?採用ブランド向上に向けて具体的にまず1歩を踏み出すために実践いただくことなどをまとめています。

採用ブランドとは

採用ブランドとは、企業が自社の雇用イメージを効果的に訴求し、求職者に対して魅力的な雇用環境を強調するためのマーケティング戦略です。一般的にブランドと言うと、商品やサービスの品質を顧客に約束するものを指しますが、採用ブランドも同様に、求職者に対して企業の働く環境や文化、価値観を約束するものです。

ブランドとは約束すること

ブランドとは、消費者と企業間の約束です。商品ブランドであれば、商品の品質や性能、サービスブランドであればその品質や対応を約束します。同じように、採用ブランドは求職者に対して、企業が提供する働く環境や待遇、企業文化などを約束します。

この約束を適切に履行することで、ブランドは信頼性を高め、顧客の忠誠度やリピート率を増加させます。採用ブランドでも同様に、企業の働きやすさや待遇が約束されて実現することで、社員の満足度やロイヤルティが向上します。

採用ブランドの驚くべき4つの効果

採用ブランドの強化は、企業に対して驚くべき4つの効果をもたらします。それらは「ミスマッチの減少」「予算の削減」「社内の共通認識の形成」「事業成長への寄与」です。

ミスマッチが減る

ミスマッチとは、企業と従業員の間に生じる誤解や期待のズレを指します。企業が自社の働く環境を適切に表現していないと、求職者は誤った認識を持ち、雇用後にその誤解が露呈すると、離職率が上昇します。

しかし、採用ブランディングにより企業の価値観や働き方、待遇等を明確に伝えることで、求職者は自分の価値観や目指すキャリアパスと合致する企業を選びやすくなります。これにより、雇用後のミスマッチが減少し、長期的な雇用関係が築かれやすくなります。

予算を削減できる

採用ブランドの強化により、求職者が自然と集まるため、広告やリクルーティング活動の費用を削減することが可能となります。また、長期的な雇用関係が築かれることで、高い離職率による採用コストも削減できます。これにより、企業は人材投資に対するリターンを高めることができます。

社内の共通認識ができる

採用ブランドを確立することで、社員一人ひとりが自社の価値観や企業文化を理解し、自身の働き方や行動に反映することが可能となります。これにより、社員全員が一致した価値観や目標に向かって行動することで、組織全体の生産性や効率が向上します。

事業成長に寄与する

上記の効果を通じて、採用ブランドは組織の成長に大きく寄与します。人材確保の効率化、長期雇用によるスキルの蓄積、高い生産性などが事業の拡大や競争力の強化に繋がります。結果として、採用ブランドは企業の最も重要な資産の一つとなり、持続可能な成長を支える力となります。

以上のように、採用ブランドの構築と強化は、求職者との信頼関係の形成、採用コストの削減、社内の一体感の醸成、そして事業成長への寄与といった多大な効果をもたらします。これらはすべて相互に関連し、連鎖的に組織の強化をもたらします。そのため、採用ブランドは組織戦略の一部として無視できない重要な要素と言えるでしょう。

しかし、採用ブランドを構築することは短期間で行えるものではありません。それは企業の核心的価値を体現し、組織全体で共有する文化となるべきものです。そのため、それを実現するためには、経営者やリーダーの理解と協力、社員一人ひとりの関与が必要となります。

そのプロセスを経ることで、企業は真に求職者に魅力的な採用ブランドを形成できます。そして、それは企業にとっての競争力となり、持続可能な成長を実現するための一石となるでしょう。

採用ブランディングに取組むキーポイント

近年、企業の採用活動において「採用ブランディング」の重要性が認識されつつあります。採用ブランディングとは、企業の採用活動全体を通じて、魅力的な採用イメージを形成し、優秀な人材を引き寄せるための取り組みです。しかし、この採用ブランディングを成功させるためには、特定のキーポイントに注意を払う必要があります。本記事では、その3つのキーポイントについて解説します。

得たいことを明確にする

採用ブランディングの初めの一歩は、「何を得たいのか」を明確にすることです。優秀な人材を惹きつけるためには、その人材が何を求めているのか、そして自社がそれを提供できるのかを理解することが重要です。

求める人材像は企業ごとに異なります。ある企業は新しい技術を創り出すための創造的な人材を、また別の企業は確実な成果を上げるための堅実な人材を求めるかもしれません。これらの人材が求める環境や価値観、待遇もそれぞれ異なります。そのため、自社がどのような人材を引き寄せたいのか、そしてその人材が何を求めているのかを明確にすることが、採用ブランディングの基本となります。

全社への理解を促す

次に重要なのは、「全社への理解を促す」ことです。採用ブランディングは、経営者だけや人事部門だけの取り組みではなく、全社を巻き込んだ取り組みであるべきです。それはなぜなら、企業の採用ブランドはその企業の全ての行動から形成されるからです。そのため、全ての社員が採用ブランディングの重要性を理解し、日々の行動に反映することが求められます。

そのためには、採用ブランディングの目的や意義、そして戦略を全社員に対して明確に伝え、理解を深めていくことが重要です。その上で、社員一人ひとりが採用ブランディングのアンバサダーとなり、日々の業務や外部とのコミュニケーションを通じて、魅力的な採用ブランドを創り上げていくことが求められます。

一喜一憂せずPDCAを繰り返す

最後に大切なのが、「一喜一憂せずPDCAを繰り返す」ことです。採用ブランディングは一夜にして成功するものではありません。それは長期的な視点を持ち、絶えず改善を重ねていくプロセスが求められます。

PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の順を繰り返す経営手法です。採用ブランディングにおいても、これを適用することで進捗を管理し、必要な改善を行っていくことができます。

まずは計画を立て、その計画に基づいて行動を実行します。その結果を評価し、必要な改善を見つけ出します。そしてその改善を行った上で再度計画を立て、このサイクルを繰り返します。これにより、採用ブランディングは進化し続け、より効果的なものとなります。

以上、採用ブランディングに取り組む上での3つのキーポイントについて解説しました。得たいことを明確にする、全社への理解を促す、一喜一憂せずPDCAを繰り返す。これらを念頭に置きながら、採用ブランディングに取り組むことで、企業はより多くの優秀な人材を引き寄せることができるでしょう。


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採用ブランディング実現に向けたStep

採用ブランディングは、企業の採用活動を成功に導く強力な戦略の一つです。優れた人材を引きつけ、企業文化を強化し、長期的な成功を促進するためには、この戦略が欠かせません。では、どのようにして採用ブランディングを進めればよいのでしょうか。以下、具体的なステップを解説します。

横断チームを作り、全社的な取組み告知をする

成功した採用ブランディング戦略は、全社の協力と理解に基づいています。それは、企業の全員が一丸となって、企業の価値を正確に伝えることによって、理想的な人材を引き寄せるためのものです。

そのため、採用ブランディングを推進するためには、まず横断チームを設置することが必要です。このチームは、企業の各部門から代表者を集め、各自が自身の視点や専門知識をもたらすことで、企業全体を代表する一方で、採用ブランディングの目的と戦略を理解し、それを具現化します。

このチームの役割は、企業の強みや価値を明確に伝える採用メッセージを作成し、全社に広めることです。そのためには、まず自社の採用ブランディングの目的と戦略を明確にすることが必要です。それは、具体的にどのような人材を引き寄せたいのか、自社の強みや価値は何なのか、どのようにそのメッセージを伝えるかなどを具体的に設定することにより達成できます。

そして、全社的な取組み告知を行います。全社員が自社の採用ブランディングの目的と戦略を理解し、それに基づいた行動をとることで、一貫した採用ブランディングが実現します。これは、社内の会議や研修、社内SNSなどを通じて行うことができます。また、採用ブランディングは一過性のものではなく、継続的な取り組みが必要となります。そのため、定期的に戦略の見直しや進捗のチェックを行い、必要に応じて改善を行うことも大切です。

以上が、採用ブランディングを進めるための第一歩である、「横断チームを作り、全社的な取組み告知をする」というステップです。このステップを踏むことで、採用ブランディングはより効果的なものとなり、理想的な人材を引き寄せる力となります。

自社の強みを分析する

自社の強みを深く理解することが、採用ブランディングの基盤となります。自社の強みとは、競争相手に対して優位性を持つ要素であり、それが何であるかを明確にすることで、自社を選んでくれる理由を明確に伝えることができます。

自社の強みを把握するためには、以下のようなステップを踏むとよいでしょう。

  • マトリックス図 ‐ ひとりよがりにならない

マトリックス図を用いると、自社の強みと市場のニーズを明確に比較することができます。自社が持つ製品やサービス、技術力、社員のスキル、企業文化などをリストアップし、それぞれの要素が市場でどれだけの価値を持つのかを評価します。そして、自社の強みと市場のニーズが一致するポイントを見つけ出し、それを採用ブランディングの基盤とします。

ただし、この時点で自己満足に陥らないように注意が必要です。自社の強みを認識するだけでなく、それが市場でどれだけ価値を持つのか、他社と比べてどのような優位性があるのかを冷静に評価することが求められます。

  • 強みは3つに絞る

分析した結果、多くの強みが見つかったとしても、伝えるべきポイントは3つ程度に絞りましょう。多すぎる情報は伝わりにくいため、最も重要な強みを絞り込むことで、求職者に対するメッセージが明確になります。

求める人材のペルソナを設定する

自社の強みを明確にしたら、次に求める人材のペルソナを設定します。これは企業がターゲットとする理想の人材像を具体的に描くことで、その人材を引き寄せるための戦略を立てることができます。

  • 理想のペルソナは?

まず初めに、企業が求める理想的な人材像を明確にします。このペルソナ設定は、その人が持つべきスキル、価値観、キャリア目標などを具体的に定義します。また、その人が自社でどのような貢献をするのか、どのような業績を上げるのかも考えます。このペルソナ設定は企業の文化、ビジョン、ミッションに根ざしたものであるべきで、理想の候補者が共感しやすいように設計されます。

  • ペルソナ設定時にはマーケットや存在性を考えない

ペルソナを設定する際には、まず市場状況や自社の存在感を一旦忘れて、理想的な人材像を自由に描くことが重要です。なぜなら、自社の市場状況や存在性にとらわれると、自社が本当に必要とする人材像からズレる可能性があるからです。このステップでは、制限や制約を取り払い、自社が理想とする人材像を具体的に描き出すことが重要となります。

  • できる限り詳しく言語化する

ペルソナを設定したら、その人材像をできるだけ詳しく言語化します。これは、その人材像が具体的で詳細であればあるほど、人事部門や採用チームがその人材を探す際に有効となるためです。また、ペルソナが具体的であることで、採用メッセージも鮮明になり、求職者に対する訴求力も増します。このステップでは、ペルソナの背景、スキル、経験、価値観などを具体的に描き出すことが重要です。

  • ペルソナのインサイトを考える

最後に、ペルソナが自社を選ぶための要因や、自社の提供する価値について考えます。これは、ペルソナの心の中を理解し、それに対する最適なメッセージを作り出すためのステップです。ペルソナが抱える課題や悩み、欲求や目指す理想、そしてその解決策や達成手段は何かを深堀りし、それに対する自社の解答を形成します。

以上、求める人材のペルソナ設定について解説しました。ペルソナを設定することは、求職者への訴求力を高め、企業が必要とする人材を効果的に引き寄せるための重要なステップです。理想の人材像を具体的に描き、その人材像を詳細に言語化し、その人材が抱える問題や欲求に対する自社の解答を提供することで、効果的な採用ブランディングを実現できます。

採用コンセプトを作る

採用ブランディングの次の重要なステップは、採用コンセプトを作ることです。採用コンセプトとは、企業がどのような人材を求め、どのような環境を提供しているのかを明確にするものです。このコンセプトは、企業の価値観やビジョン、そして設定したペルソナを基に作られ、具体的に求職者に伝えられるメッセージとなります。

  • 共感型採用

共感型採用とは、求職者が企業のビジョンや価値観、文化に共感し、自分自身をそこに投影できるような採用を意味します。企業の価値観や文化、使命感を明確に伝え、それに共感できる人材を引き寄せることがこの採用形式のポイントです。

これにより、求職者が自分がどのように企業の一部となり、それをどのように成長させていくかを想像しやすくなります。企業のビジョンや目標を達成するために必要なスキルや経験、そしてそれを支える価値観や姿勢が一致する人材を採用することができます。

  • 人物重視

人物重視とは、スキルや経験よりも人物像、つまり、その人が持つ価値観や人間性、ポテンシャルを重視する採用スタイルです。求職者のキャリア背景や具体的なスキルよりも、その人が企業にどのような価値をもたらすか、どのように企業文化に貢献できるかを重視します。

これは特に、新しいビジネスや未来志向の企業にとって有効なアプローチです。未来を予測することは難しく、求職者が持っている現在のスキルが未来でも有効であるとは限りません。しかし、その人がどのように考え、学び、変化するかという人物像は、未来の変化に対応できる力を予測する一方で、企業文化を形成し維持するためにも重要です。

以上、採用コンセプト作りについて説明しました。共感型採用と人物重視という二つの視点から、企業が求める人材像を明確に定義し、それを具体的なメッセージとして伝えることで、理想的な人材を採用することが可能となります。

核となる採用メッセージを作る

採用ブランディング戦略の次の段階は、核となる採用メッセージを作ることです。このメッセージは、企業が自身のビジョンと目標を共有し、理想的な候補者を引き寄せるためのキーコミュニケーションツールとなります。以下にその作成方法を解説します。

  • 200文字程度の文章にしてみる

まず、メッセージは短くてわかりやすいものであるべきです。通常、200文字程度の文章で作成することをお勧めします。これは、多くの人が採用メッセージを一読して理解できるだけの長さであり、かつ必要な情報を盛り込むのに十分な長さです。

  • 理念、ビジョン、mission、制度、風土、製品サービスの強みなど盛り込む

メッセージには、企業の理念、ビジョン、ミッション、制度、風土、製品やサービスの強みなど、企業が候補者に伝えたい重要な要素を含めるべきです。これらの情報は、企業が提供できる価値を明確にし、候補者が企業で働くことの利点を理解するのに役立ちます。

例えば、「私たちはテクノロジーを通じて世界をより良い場所にすることを信じています。私たちの強力な製品ラインナップと創造的な社風は、これを達成するための基盤となります。一緒に世界を変えませんか?」というようなメッセージは、企業のビジョンと製品の強みを同時に伝えることができます。

  • できればプロに任せるのが正解

最後に、可能であれば、このメッセージの作成はプロのマーケターやコピーライターに任せることをお勧めします。彼らは、短いメッセージに多くの情報を詰め込み、それを魅力的で説得力のあるものにする方法を知っています。さらに、彼らは候補者がどのようなメッセージに反応するかを理解しているため、メッセージが最大限の効果を発揮するようにすることができます。

以上のように、核となる採用メッセージの作成は、企業の採用ブランディング戦略の重要な部分です。このメッセージを通じて、理想的な候補者を引き寄せ、企業の目標とビジョンを共有することが可能になります。

どのように伝えるかを考える

採用メッセージを作成した後、次に考えるべきは、そのメッセージをどのように伝えるかです。伝え方によっては、同じメッセージでもその効果が大きく変わります。以下に、どのようにメッセージを伝えるべきかについてのポイントを説明します。

  • ペルソナがいそうなところは?

まず、採用したい人材、つまりペルソナがどこにいそうかを考えます。ペルソナが活動しているであろう場所にメッセージを届けることで、的確に理想的な候補者にアプローチすることができます。例えば、若手エンジニアを求めている場合、GitHubやStackOverflow、技術系のカンファレンスやミートアップなどでメッセージを広めると良いでしょう。

  • メディアミックス・チャネルミックス

次に、メディアミックスとチャネルミックスを考えます。メディアミックスとは、広告を掲載するメディアの組み合わせのことを指し、チャネルミックスとは、コミュニケーションを行うチャネルの組み合わせのことを指します。

一方向のコミュニケーションだけでなく、SNSなどを通じた二方向のコミュニケーションも考慮に入れると良いでしょう。また、オンラインだけでなく、オフラインでのイベントなども活用すると、より多角的に理想的な候補者にアプローチすることができます。

  • タイミング

最後に、メッセージを伝えるタイミングも重要です。タイミングが合っていなければ、良いメッセージであってもその効果を最大限に発揮することができません。例えば、新卒採用の場合、学生が就職活動を始める前に情報を発信し始めることで、企業の知名度を上げることができます。

以上のように、採用メッセージを伝える方法を適切に設計することで、採用ブランディングの効果を最大限に引き出すことができます。

PDCAを回す

採用ブランディングは、一度行ったら完了するというものではありません。成功するためには、継続的な改善が必要です。それがPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルの役割です。以下にPDCAサイクルを採用ブランディングにどのように適用するかを説明します。

  1. Plan(計画)

計画段階では、採用ブランディングの目標と戦略を明確にします。目標は、採用したい人材(ペルソナ)を明確に定義し、戦略はそのペルソナを引き寄せるための具体的なアプローチを設定します。その上で、どのようなメッセージを、どのチャネルを通じて、どのタイミングで伝えるかを計画します。

  1. Do(実行)

次に、計画した採用ブランディングの戦略を実行します。これには、採用メッセージの作成と配信、チャネルとタイミングの管理、さらには採用イベントの開催などが含まれます。

  1. Check(検証)

実行した結果を定期的に検証し、採用ブランディングが目標に対してどれくらい効果的であったかを評価します。検証には、求職者からのフィードバック、応募数やインタビューへの進行数、採用率などの数値データを使用します。

  1. Act(改善)

最後に、検証した結果を基に改善します。成功した戦略は継続し、改善が必要な点は次の計画に反映させます。これにより、採用ブランディングは常に最適化され、成果を最大化することができます。

以上のように、PDCAサイクルを採用ブランディングに適用することで、効果的なブランディング戦略を持続的に維持・改善することが可能になります。このサイクルを回すことで、企業は自社の魅力を最大限に伝え、理想的な人材を採用することができるのです。

採用ブランディングの事例

採用ブランディングの具体的な事例を挙げて、その効果や実践方法を理解することは非常に有益です。ここでは、主に「企業軸」と「イベント軸」の2つの軸で採用ブランディングを進めた事例をご紹介します。

企業軸

企業軸の採用ブランディングでは、企業のビジョンやミッション、企業文化などを強調し、その企業が求める人材像を明確にします。一例として、Googleが挙げられます。

Googleは、”Don’t be evil(邪悪であるな)”というスローガンを通じて、自社の企業理念を強く打ち出しています。また、革新的なアイデアを生み出す自由な環境や、ダイバーシティとインクルージョンを重視する企業文化を前面に押し出すことで、同社を志望する人材に強い共感を持ってもらっています。

イベント軸

一方、イベント軸の採用ブランディングでは、採用イベント自体をブランディングの一部と位置づけ、それを通じて求職者とのコミュニケーションを図ります。

  1. コンセプトを体現した説明会

例えば、ある企業ではコンセプトを体現した説明会を開催しました。普通の説明会ではなく、自社のサービスを体験できるイベント形式にすることで、求職者が企業のビジョンや製品に直接触れ、理解する機会を提供しました。

  1. ペルソナに基づきESを撤廃

また、ペルソナに基づいてES(エントリーシート)を撤廃した企業も存在します。ESの代わりに、求職者が自身のスキルや経験を自由に表現できるオープンな形式を導入。これにより、企業は自社にマッチした人材をより効率的に見つけることができました。

以上のように、企業軸とイベント軸の両方をうまく活用して採用ブランディングを進めることで、企業はより魅力的な採用体験を提供し、理想的な人材を引き寄せることが可能になります。

採用ブランディングにチカラをいれている企業がわかる参考サイト

採用ブランディングは、企業の魅力を潜在的な応募者に伝え、理想的な人材を引き寄せるための重要な戦略です。以下に、採用ブランディングに力を入れている企業を知ることができる参考サイトを2つ紹介します。

  1. 採用ピッチ資料120選|作り方〜制作ポイントはコレ!
    https://www.hear.co.jp/recruit/saiyoupitch-100sen

このサイトでは、120社以上の企業の採用ピッチ資料が集められています。資料は、企業のビジョンやミッション、企業文化、求める人材像などを具体的に示しており、それぞれの企業がどのように採用ブランディングを行っているかを理解するのに役立ちます。

  1. 【2023最新版】就活イベントおすすめ人気ランキング10選!面白い就活イベントを紹介!
    https://renew-career.com/magazine/jobhunt-event-best/

こちらのサイトでは、2023年の就活イベントの人気ランキングを紹介しています。就活イベントは、採用ブランディングの一部であり、企業が自社の魅力を直接伝えるための重要な場です。ランキングを通じて、各企業がどのようなイベントを開催し、どのように求職者とコミュニケーションをとっているかを確認することができます。

これらのサイトは、自社の採用ブランディング戦略を考える際の参考にするだけでなく、自社がどのように perceived(認識されているか)を知るのにも役立ちます。

採用ブランド作りに強みをもつ企業25選 

企業の採用ブランド作りに関して評価されている25社を以下に示します。これらの企業は、それぞれの分野で成功した事例を持つもので、人材獲得におけるブランド力を高めるための戦略を巧みに使用しています。

No.企業名所在地採用ブランディングの強み
1Googleアメリカ「Googleyness」を打ち出し、自社のユニークな企業文化と多様性を強調。
2Appleアメリカ革新とクリエイティビティを重視し、製品が生み出す社会貢献を訴求。
3ファーストリテイリング日本「Changing clothes. Changing conventional wisdom. Change the world.」の理念を採用ブランドに活用。
4Amazonアメリカカスタマーオブセッションを強調し、顧客に対する情熱を共有する人材を引きつける。
5キユーピー日本「あなたの力で、世界の食卓を豊かに。」というビジョンを打ち出し、社会貢献に意欲的な人材を対象とした採用活動。
6Facebookアメリカ社会的なインパクトとダイバーシティを採用ブランドの中心に据え、ミッションドリブンな人材を求めている。
7Unileverオランダ/イギリス持続可能性に注力し、社会貢献を採用のキーメッセージとして掲げている。
8リクルート日本人材の「自己実現」をテーマにし、「自分らしさ」を活かせる環境を強調している。
9Netflixアメリカ独自の企業文化(Freedom & Responsibility)を強調し、自律性と創造性を持つ人材を引きつけている。
10マツダ日本企業理念「Celebrate Driving」を強調し、車への情熱を共有するエンジニアを対象とした採用活動。
11Teslaアメリカ電気自動車と持続可能なエネルギーへの情熱を訴求し、革新を求める技術者を引きつけている。
12Panasonic日本“A Better Life, A Better World”のミッションを採用ブランドに活用。
13Adobeアメリカデジタルメディアへの深いコミットメントと創造性を強調し、クリエイティブな人材を対象とした採用活動。
14トヨタ日本“Mobility for All”をスローガンに、社会貢献と革新に関心のある人材を対象とした採用活動。
15Salesforceアメリカ「Ohana」(家族)という企業文化を強調し、社員同士の絆とケアを重視する環境を訴求。
16Airbnbアメリカ“Belong Anywhere”の理念を通じて、共同体と結びつき、多様な体験を提供することを強調。
17スターバックスアメリカ“To inspire and nurture the human spirit – one person, one cup and one neighborhood at a time”のミッションを採用ブランドに活用。
18ソフトバンク日本“情報革命で人々の生活を豊かに”というビジョンを採用メッセージに活用しています。
19IBMアメリカダイバーシティと包摂性を重視し、世界中から様々なバックグラウンドを持つ優れた才能を引き寄せる。
20任天堂日本革新的で楽しいゲーム体験を提供するというミッションを強調し、ゲーム開発に情熱を持つ人材を惹きつける。
21Uberアメリカテクノロジーによるトランスポーテーションの革新を強調し、このミッションに共感する人材を引き寄せる。
22LINE日本“CLOSING THE DISTANCE”のビジョンを採用メッセージに活用し、人々のつながりを広げるための技術者を求めている。
23Adobeアメリカ一貫したクリエイティブな環境を前面に押し出し、デザイナーやエンジニアの人材を引き寄せています。
24グリー日本“Connecting people through entertainment”というビジョンを採用ブランドに活用し、エンターテイメントに興奮する人材を惹きつける。
25Zoomアメリカ“Delivering happiness”という企業文化を採用ブランドに活用し、顧客満足度の向上に対する情熱を共有する人材を対象とした採用活動。

これらの企業は、それぞれ独特な企業カルチャーやユニークなビジネスモデル、優れた製品・サービス、そして持続可能なビジョンなどを採用ブランディングに活用しています。これらの強みは、自社の魅力を最大限に引き立て、希望する人材を惹きつける力となっています。



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筆者:ナンバーズ株式会社

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