リクルーティング ピックアップ 公開日:2024/04/23 更新日:2024/04/22

人材紹介サービスの手数料相場は?仕組みや返還金のポイント

人材紹介サービスの手数料相場は、会社ごとに若干の際はあれど採用する候補者に提示する理論年収の35%程度を成功報酬として支払う形式が多いです。 当記事では、人材紹介サービスの手数料相場を把握することのメリット、実際の成功事例や、人材紹介サービスを導入方法について、お伝えします。

中途人材紹介の仕組み

手数料の仕組み

中途人材紹介の手数料の仕組みについて説明します。通常、人材紹介会社は企業との間に契約を結び、その企業が紹介された候補者を採用した際に成功報酬として手数料を受け取ります。

届出制手数料

届出制手数料とは、人材紹介業が正式に事業を行うために必要な届出を行った際に支払う手数料です。この手数料は、業界の健全な発展と適正な運営を確保するための制度の一環として設けられています。届出を行うことで、人材紹介業者はその業務が法令に則って行われていることを証明し、信頼性を確保することができます。

この届出制手数料は、人材紹介業を営む企業にとって一種の運営コストとなりますが、これにより業界全体の品質保持が図られ、最終的には企業と求職者双方にメリットをもたらすとされています。また、この制度によって不正競争を防ぎ、業界全体の信頼を保つことが可能となります。企業側から見ると、届出を完了した人材紹介会社を利用することで、法令を遵守する信頼性の高いサービスを受けることができるわけです。

上限制手数料

上限制手数料は、紹介手数料が高額になり過ぎないように、あらかじめ設定された上限額を超えないように制限するものです。この制度は、特に高年収の候補者を採用する際に企業の負担を軽減し、費用対効果を考慮した採用活動を支援する目的で設けられています。例えば、ある人材紹介会社が候補者の年収の35%を手数料として設定している場合でも、上限が500万円に設定されていれば、その限度額を超えることはありません。

このような制度は、企業側が採用コストをあらかじめ見積もりやすくするとともに、不当に高額な手数料が発生することを防ぎます。また、人材紹介会社と企業との間で透明性を保ちながら公平な取引が行われることを促進し、双方の信頼関係の構築にも寄与しています。その結果、人材紹介業界全体の健全な運営が促され、より多くの企業が人材紹介サービスを利用しやすくなるというメリットがあります。

人材紹介会社への手数料の相場

中途人材紹介における手数料の相場は、業界慣習や採用される候補者の年収に基づいて大きく左右されます。一般的に、人材紹介会社は成功報酬型の手数料体系を採用しており、企業が紹介された候補者を採用する際にのみ手数料が発生します。この手数料は、採用された候補者の年収の割合として計算されることが多く、その範囲は大体年収の35%で設定されます。ただし、この割合は職種や業界、地域、候補者の専門性や希少性によって異なる場合があります。

たとえば、一般的な事務職や営業職の場合、手数料率は比較的低めに設定される傾向がありますが、IT技術者や医療専門家、高級経営職など特定の専門スキルを要する職種では、高い手数料率が適用されることがあります。また、特に人材が不足している分野では、より高い手数料率が正当化されることもあります。

また、業界によっては、初年度の年収に基づいた手数料だけでなく、成果に基づいた追加のインセンティブを設定することもあります。

人材紹介会社への手数料の相場は多くの要因に依存し、個々の契約や市場の状況、候補者の資質によって大きく変わるため、企業としては人材紹介サービスを選ぶ際にこれらの点を慎重に考慮する必要があります。

手数料が発生するタイミング

中途人材紹介における手数料の発生タイミングは、基本的に紹介した候補者が採用されるという成果が得られた場合に限定されます。このシステムは成功報酬型と呼ばれ、人材紹介会社が企業に適切な候補者を提供し、その候補者が実際に採用されることで初めて手数料が発生する仕組みです。このため、人材紹介業の効率性と効果性が重視されます。

手数料が発生する具体的なタイミングは、候補者が採用を正式に受け入れたとき、つまり雇用契約が締結された時点です。この契約締結後、人材紹介会社への報酬支払いが確定し、企業は紹介された候補者の年収の一定割合に応じた手数料を支払う義務が生じます。手数料の支払い時期については、企業と人材紹介会社間の契約によって異なりますが、一般的には候補者の入社日から30日以内に支払われることが多いです。

また、紹介手数料の支払い条件には、保証期間(返還規定)という概念が設けられていることもあります。これは、候補者が入社後も一定期間内に退職してしまった場合に、人材紹介会社が手数料を返還するか、別の候補者を無償で再紹介するという保証を提供するものです。この期間は通常、入社後3ヶ月から6ヶ月程度までが一般的です。

このように、手数料の発生タイミングとその後の取り決めは、人材紹介サービスを利用する企業にとって非常に重要であり、選択する人材紹介会社との契約内容を十分に理解し、適切に交渉する必要があります。この透明性が両者の信頼関係を築き、効果的な人材確保につながるのです。

理論年収について

理論年収の計算方法

理論年収と実際の年収には差がある

理論年収の計算は、個々の労働者の潜在的な収入を評価するために用いられる手法です。この計算には、基本給、予定されるボーナス、残業代、その他の可能性のある収入源を含めることが一般的です。理論年収は、一年を通じて得られる収入の総額を示す数値で、正確な収入予測を立てるための基準となります。

しかし、理論年収と実際の年収には差が生じることがあります。この差異の主な理由は、予測された残業時間が実際と異なる場合や、ボーナスの支給額が予定よりも少なかったり多かったりすることです。また、特別手当やインセンティブが予測に含まれていたが、実際には達成されなかった場合にも差が出ます。さらに、病気や家族の事情など、予期せぬ休暇により収入が減少する可能性も考えられます。

理論年収の計算では、最大限に収入を得られる状況を前提としていますが、実際の労働状況はこの理論的なモデルから逸脱することがよくあります。そのため、個人が実際に受け取る年収は理論年収よりも少ない場合が多いです。雇用契約を評価する際には、このような差異を理解し、理論年収だけでなく、実際に起こり得る様々なシナリオを考慮に入れることが重要です。

理論年収の計算は重要なガイドラインを提供しますが、実際の生活やキャリア計画においては、より保守的な見積もりを考慮することが賢明です。これにより、予期せぬ出来事が生じた際にも安心して対応できるようになります。

早期離職してしまった場合の返還金について

保証対象になる期間がそれぞれ決まっている

早期離職した場合の返還金についての規定は、新入社員が入社後に期間内に退職する場合、企業が支払った採用コストの一部を回収できるようにするためのものです。この返還金制度は、特に人材紹介を利用した採用において一般的です。人材紹介会社は、提供した候補者が一定期間内に企業を離れる場合、紹介手数料を返還するか、別の候補者を無償で再紹介することを保証します。

保証対象の期間は、通常、入社後の初めの数ヶ月間に設定されています。具体的な期間は契約によって異なりますが、多くの場合は3ヶ月後から6ヶ月後までの間です。この期間は、新入社員が職場に適応するための十分な時間を与え、同時に企業が候補者のパフォーマンスを評価するための猶予期間として機能します。

返還金制度の詳細は、人材紹介会社と企業が事前に合意した契約に基づいています。契約では、返還が適用される条件、返還金の計算方法、必要な手続きのプロセスなどが明記されています。返還金の額は、支払われた手数料の全額または一部が一般的で、候補者の早期離職が確認された後、企業に返金されるか、次の採用プロセスに向けてのクレジットとして適用されます。

このような制度は、企業が高額な採用コストに見合う価値を確保できるようにするためのものであり、採用プロセスのリスクを軽減します。また、人材紹介会社にとっても、質の高い候補者を紹介するインセンティブとなり、長期的に顧客との信頼関係を築く助けとなります。この保証によって、企業は新しい従業員の採用と定着の両方において、より確実な投資を行うことができます。

返還金の割合にも差がある

返還金の割合は、通常、人材紹介会社と企業との間で事前に合意された契約に基づいて定められます。一般的には、雇用契約が解消される時期に応じて異なり、離職が早ければ早いほど高い割合で返還されることが多いです。例えば、入社後1ヶ月以内に離職した場合は手数料の100%が返還され、3ヶ月以内だと80%、6ヶ月以内だと50%という具合に設定されることがあります。

この返還金制度の具体的な内容は、業界や職種、地域によっても異なる可能性があり、また、紹介された候補者の職位や専門性によっても変わることがあります。さらに、契約には返還金を求めるための条件が設けられており、例えば候補者が自己都合で退職した場合のみ有効とする、あるいは業績不振による解雇の場合は対象外とするなど、様々な規定が含まれています。

このように、返還金の割合と条件は、企業と人材紹介会社の間で慎重に交渉されるものであり、企業にとってはリスクを軽減し、採用投資を保護する重要な要素です。このため、人材紹介サービスを利用する際には、返還金の条件を含め、全ての契約条項を十分に理解し、合意することが非常に重要になります。

人材紹介サービスを利用するメリット

専門職人材を採用できる

人材紹介サービスを利用することには多くのメリットがありますが、特に専門職人材の採用においてその利点は顕著です。人材紹介会社は、特定の業界や職種に特化していることが多く、そのために豊富な専門知識と広範なネットワークを持っています。このような背景から、企業が必要とする特定のスキルセットや経験を持つ候補者を効率的かつ迅速に見つけることが可能になります。

専門職の採用においては、求められる技術や資格が特定されており、これらの条件に合致する人材を見つけることが一般的な採用活動よりも困難です。人材紹介会社は、業界内での長年の経験と専門性を活かして、このようなユニークな要件にマッチする候補者をデータベースから特定し、推薦することができます。また、彼らは候補者が現在就職している場合でも、適切なアプローチを通じて採用の機会を提示することができ、そういった専門職人材が積極的に求職活動をしていない場合にも接触することが可能です。

さらに、人材紹介サービスは、企業が人材採用におけるリスクを最小限に抑える手助けをします。専門職人材の場合、不適切な採用が将来的に高額な再採用コストや業務の遅延を引き起こす可能性があります。人材紹介会社は、詳細なスクリーニングプロセスと候補者の評価を行い、企業が求めるスキルセットだけでなく、文化的なフィット感も考慮に入れた上で候補者を紹介するため、より高い成功率での採用が期待できます。

このように、人材紹介サービスを利用することで、特に専門職人材の採用において、適切な候補者を迅速に見つけ出し、採用プロセスをスムーズかつ効率的に進めることができるのです。これは、企業にとって時間とコストの節約につながり、長期的にはビジネスの成長と競争力の強化に寄与します。

採用担当の工数負担を軽減できる

人材紹介サービスを利用する最大のメリットの一つは、採用担当者の工数負担を大幅に軽減できることです。通常、採用プロセスは求人の作成から応募者のスクリーニング、面接の調整、最終的な選考まで多くの時間と労力を要します。しかし、人材紹介会社を利用することで、これらのプロセスの多くを専門家に委ねることができます。

人材紹介会社は、その豊富な経験と業界知識を活かして、企業のニーズに最も合致する候補者を効率的に見つけ出し、事前のスクリーニングを行います。これには、履歴書の詳細な検証、適性検査の実施、職歴の確認などが含まれます。このような事前処理によって、企業に紹介される候補者はすでに一定の質を満たしており、採用担当者は最も有望な少数の候補者に絞って面接などの選考プロセスに集中することができます。

さらに、人材紹介会社は面接のスケジューリングや初期の交渉プロセスなどの時間を要するタスクも担います。これにより、採用担当者は自らの時間をコア業務、例えば採用戦略の最適化や既存従業員のエンゲージメント向上などに注力できるようになります。

このサービスを利用することで、企業は採用に関する行政的および手続き的な負担を減らすことができるため、人材管理における全体的な効率が向上します。結果として、人事部門は限られたリソースをより効果的に活用できるようになり、組織全体の生産性の向上に寄与することが可能です。このように人材紹介サービスを活用することは、採用プロセスの負担を軽減し、同時に高品質な人材を確保するという重要な戦略的利点をもたらします。

採用できなかったとしてもリスクが低い

人材紹介サービスを利用する大きなメリットの一つは、採用活動においてリスクが非常に低いことです。これは、人材紹介会社が通常、成功報酬型の料金体系を採用しているためです。つまり、企業が候補者を実際に採用するまで、何ら手数料を支払う必要がないのです。このため、もし採用プロセスを通じて適切な候補者が見つからなかった場合でも、企業は大きな金銭的損失を被ることはありません。

このシステムは企業にとって非常に有利であり、多くの時間と資源を消費する採用活動において、候補者の質と適合性をじっくりと評価することができます。人材紹介会社は、企業のニーズに合った候補者を見つけ出し、適切なマッチングを行うために専門的な知識と広範なネットワークを活用します。これにより、企業は自社の要件に最適な人材を確実に採用できる可能性が高まります。

また、人材紹介会社が前面に出て候補者との交渉や初期スクリーニングを行うため、企業は採用プロセスの各段階において得られる情報の質が向上し、より効率的な意思決定が可能となります。企業が直接採用活動を行う場合に比べて、人材紹介サービスを利用することで時間的、経済的リスクが著しく低減され、結果として企業の採用効率が向上します。

このように、人材紹介サービスは採用が成功しなかった場合でもそのリスクが低いため、企業は採用活動における負担を減らし、同時に高いレベルの候補者を確保するための最適な方法を模索できるのです。この低リスクのアプローチは特に新しい市場や専門職の採用において、企業がより大胆な採用戦略を採ることを可能にします。

人材紹介サービスを利用するデメリット

採用までに時間がかかるケースがある

人材紹介サービスを利用する際には多くのメリットが存在しますが、一部の状況下では採用までに時間がかかることがデメリットとして挙げられます。この遅延は、特に高度な専門スキルを要する職種や、市場において求められる資質を備えた候補者が限られている場合に顕著です。人材紹介会社は企業のニーズに完全に合致する候補者を見つけ出すことに注力するため、適切な人材の検索と評価には時間が必要となります。

さらに、人材紹介会社が候補者を見つけた後も、彼らの現在の職務からの移行にはタイミングの調整が必要です。例えば、候補者が現職で重要なプロジェクトを担当している場合、その完了を待たなければならないことがあります。また、候補者との面接や評価プロセス、最終的な採用決定までの各段階での調整には、多くの場合、丁寧なコミュニケーションと時間が必要です。

人材紹介会社が使用する広範なネットワークやデータベースを駆使しても、最適な候補者の探索とその確保には計画通りに進まないこともあり、これがプロジェクトのタイムラインに影響を及ぼす可能性があります。このため、緊急に採用を進める必要がある場合や、時間に敏感なポジションを埋める際には、人材紹介サービスの利用が逆に障害となることもあります。

このように、人材紹介サービスを利用する場合、採用プロセスが長引くことは計画に影響を与える可能性があり、これが企業にとってのデメリットとなることがあります。したがって、採用活動を始める際には、この点を考慮し、時間の余裕を持ってプロセスを進めることが推奨されます。

大量採用には不向き

人材紹介サービスは特定の専門職や高度なスキルを持つ候補者の採用に非常に有効ですが、大量採用には必ずしも適していないというデメリットがあります。この理由は、人材紹介サービスの性質と手法にあります。人材紹介会社は通常、個々の候補者に対して高度にカスタマイズされたアプローチを取り、企業の具体的な要件にマッチする質の高い候補者を一人一人丁寧に選定します。このプロセスは時間を要し、コストも比較的高くなるため、大規模な採用ニーズには対応しづらいのです。

大量採用の場面では、企業は多数の空席を短期間で埋める必要がありますが、人材紹介会社が提供する個別対応のサービスは、このような大量かつ迅速なニーズに応えるには不向きな場合が多いです。また、人材紹介会社は通常、成功報酬型の料金体系を採用しており、一人一人の採用に手数料が発生します。したがって、多くのポジションをカバーする際にはコストが大きく膨らむことがあります。

加えて、大量採用を行う際には、しばしばエントリーレベルや一般職といった広範囲な募集が含まれますが、人材紹介会社は通常、特定の業界や役職に特化しており、一般的な職種や初心者向けのポジションに対する候補者プールが限られていることがあります。そのため、多様な背景を持つ多数の応募者を短期間で見つけることは、人材紹介サービスの特性とは一致しない場合があります。

これらの理由から、大規模な採用活動には、ナビ媒体の利用、キャリアフェアの開催、大学や職業訓練機関との連携など、他の採用戦略がより効果的かつ経済的です。人材紹介サービスの利用は、特定の専門職の採用に限定して考える方が、そのメリットを最大限に活用できるでしょう。

まとめ

人材紹介サービスの利用には複数のメリットがあります。専門職人材の確保、採用担当の工数軽減、低リスクな採用などが挙げられます。

一方で、デメリットとしては、採用までの時間がかかる場合や大量採用には不向きな点があります。特に専門性が高く、個別の注意を要するポジションの採用には適していますが、コストや時間の面で課題も存在します。

これらメリットとデメリットを比較した上で、人材紹介会社への成功報酬が妥当であるかを判断する必要があります。手数楼の割合や返還規定は人材紹介会社により異なりますので、取引を開始する前にしっかりと確認しましょう。


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筆者:ナンバーズ株式会社

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