RPO ピックアップ 公開日:2024/03/12 更新日:2024/03/12

学生の志望度を上げるための面接テクニック

志望度の上がる面接テクニックとは、学生一人一人に寄り添った対応をすること指します。 当記事では、どういった際に学生の志望度は上下するのか、また志望度の上がる面接テクニックの簡単な導入方法について、お伝えします。

学生の志望度とは

売り手市場で個社への志望度は低くなりがち

新卒採用市場において、売り手市場とは、求職者が選び放題の状態を指します。このような市場環境では、企業側が有能な人材を確保するために競争しなければならないため、企業は魅力的な条件を提示し、自社を売り込む必要があります。

しかし、この状況は新卒者の個々の企業への志望度の低下を招きがちです。なぜなら、複数の選択肢から選べることで、特定の企業への強い希望や熱意を持つことが少なくなるからです。学生は多くのオファーの中から比較・選択することになり、その結果、個々の企業に対する深い理解や強い繋がりを築く機会が減少します。

このような環境では、企業は単に条件面で競うだけではなく、自社の文化、成長機会、ビジョンを通じて学生の心を掴むことが重要になります。また、インターンシップや会社説明会だけではなく、とくに面接を通じて、学生に自社を深く知ってもらい、長期的な関係を築く取り組みも有効です。このようにして、企業は売り手市場の中でも学生の志望度を高め、優秀な人材を確保することが求められます。

第一志望の企業に入社する学生はどれくらい?

新卒採用における学生の第一志望企業への入社率については、様々な要因によって大きく変動します。これには経済状況、業界の人気度、企業の採用方針、学生の就職活動に対する姿勢などが含まれます。一般的に、好景気の時期や人気業界では競争が激しくなり、学生の第一志望への入社率は低下する傾向にあります。一方で、経済が不安定な時期や特定の業界が不人気になると、企業はより多くのオファーを出し、学生は第一志望に近い選択をする可能性が高まります。

実際の数字に関しては、国や時期によって異なり、正確な統計を得ることは困難です。しかしながら、いくつかの調査では、新卒者の約3割から約4割程度が第一志望の企業に入社できていると示唆されています。これは、多くの学生が複数の企業に応募し、最終的に複数のオファーの中から選択を迫られること、また、第一志望企業が必ずしも最適な職場環境やキャリア機会を提供しているとは限らない現実を反映しています。

学生にとっては、第一志望の企業に入社することが最も理想的なシナリオかもしれませんが、実際には様々な選択肢の中から自分にとって最適な決定をすることが重要です。企業側もまた、学生の多様な選択肢と競争的な就職市場を理解し、採用プロセスを通じて自社の魅力を積極的にアピールする必要があります。

学生の志望度が下がってしまう項目

マンパワー不足でフォローできていない

新卒採用プロセスにおいて、人事部門のマンパワー不足は、学生への適切なフォローが行えないことにつながり、結果的に学生の志望度の低下を招く原因となります。この状況では、企業は応募者一人ひとりに十分な時間を割くことができず、個別の関心や疑問に対応するのが難しくなります。例えば、面接日程の調整、企業説明会の案内、選考結果の迅速なフィードバックなど、タイムリーなコミュニケーションが不足すると、学生は自分がその企業にとって重要ではないのだと感じかねません。

さらに、人事のリソース不足は、企業が提供する情報の質や面接プロセスの体験にも影響を及ぼすことがあります。学生が企業文化や仕事内容、成長機会について深く理解するための対話の機会が減少すると、その企業への理解と興味は薄れがちです。このような状況では、学生が他の企業からのオファーを検討する可能性が高まり、最終的に他の企業を選択することにつながりかねません。

この問題に対処するためには、人事部門は採用プロセスの各段階で効率性と効果性を高める方法を模索する必要があります。例えば、デジタルツールや人工知能を活用して面接日程を自動調整するシステムの導入や、よくある質問に自動で答えるチャットボットの利用が考えられます。また、社内の他部門からのサポートを得ることで、応募者とのコミュニケーションやフォローアップを強化することも一つの解決策です。人事部門が質の高い採用プロセスを維持し、学生の志望度を維持、あるいは高めるためには、これらの戦略的な取り組みが不可欠です。

面接で学生に寄り添えていない

新卒採用プロセスにおける面接段階は、学生が企業の文化や価値観を身近に感じる重要な機会です。面接で学生に寄り添うことができない場合、つまり、学生の個人的な経験やキャリアに対する期待に深く関わることなく、一方的な質問や形式的な会話に終始すると、学生は自分がその企業にとって単なる「一人の応募者」であると感じ、企業への志望度が下がることがあります。

学生は自分自身が価値を認められ、企業の一員として歓迎されることを望んでいます。面接官がそのような期待に応えることができない場合、学生は他の企業への関心を高めるかもしれません。 対話型の面接プロセスを通じて学生の話を丁寧に聞き、彼らの過去の経験や将来の希望について深く理解しようとすることは、学生が企業に対して肯定的な感情を抱くために不可欠です。

また、面接官が学生の質問に対して誠実に答え、企業のビジョンやキャリアパスについて透明に情報を提供することで、学生は自分が企業と価値を共有し、成長できる場所であると感じることができます。 学生に寄り添えない面接が続くと、企業は優秀な人材を逃すリスクに直面します。特に競争が激しい業界や職種では、学生が他の選択肢を持っているため、第一印象が非常に重要です。面接で学生の個性や能力を理解し、それを企業の文化や目標と結びつけることができれば、学生の企業への興味や忠誠心を高め、彼らが自分のキャリアをその企業で築きたいと思うように導くことができます。このように、面接は単なる選考プロセスではなく、相互の理解と信頼を築く貴重な機会であり、それを最大限に活用することが、学生の志望度を維持または向上させる鍵となります。

学生の志望度を上げる面接テクニック

学生と対等になって接する

新卒採用の面接では、学生と対等になって接することが、彼らの志望度を高める重要なテクニックの一つです。このアプローチにより、学生は自分の意見や経験が価値を持つと感じ、企業が提供する機会に対してよりポジティブな印象を持つようになります。面接官が学生の話を真剣に聞き、質問や意見に対して誠実に反応することで、学生は自分が尊重され、企業の一員として受け入れられる可能性があると感じます。

このような対等な関係は、面接を一方的な評価ではなく、相互の学びと理解の場として位置づけることで実現されます。面接官が学生のキャリア目標や興味を理解しようとする姿勢を見せ、同時に企業のビジョンや文化、提供する成長機会について透明に話すことが、信頼関係の構築につながります。このプロセスを通じて、学生は自分が企業の将来に貢献できる有意義なメンバーになれると感じ、結果として企業への志望度が高まります。

また、対等な関係を築くことは、面接の環境や雰囲気にも反映されます。緊張を和らげ、オープンな対話を促進するような環境は、学生が自分自身をより自然体で表現し、企業への関心や質問を積極的に伝えることを助けます。学生が面接を通じてポジティブな経験を得ることは、彼らがその企業を第一志望として選ぶ可能性を高めるだけでなく、将来的にその企業で成功し、貢献するための土台となります。

面接官も自己開示する

新卒採用の面接において、面接官が自己開示することは、学生の志望度を高める効果的なテクニックの一つです。自己開示により、面接官は単なる評価者ではなく、企業の文化や価値観を体現する人物として学生に認識されます。これは、学生にとって企業をより身近に感じさせ、相互の信頼関係を築く上で非常に重要です。 面接官が自分の経験や企業でのキャリアパス、業務上で直面した課題やそれをどのように克服したかなどの話を共有することで、学生は企業がどのような人材を求めているか、また企業内での成長機会や挑戦の実態について具体的なイメージを持つことができます。これは、単に企業のウェブサイトやパンフレットで提供される情報以上の、生の体験や視点を提供することになります。

また、面接官の自己開示は、面接を一方的な評価の場から、双方向のコミュニケーションが行われる場へと変えることができます。これにより、学生は自分も自己表現をしやすくなり、よりオープンに自分の考えや質問を共有するようになります。その結果、学生と企業のマッチングの精度が高まり、企業文化に合った人材を確保しやすくなります。

さらに、面接官が自己開示をすることは、企業が個々の従業員を大切にし、その成長を支援する文化を持っていることを示す証でもあります。これは特に、キャリアの最初の段階にある新卒者にとって、安心感や希望を与えるものです。そのため、面接官の自己開示は、学生の志望度を高めるだけでなく、入社後の満足度や長期的なエンゲージメントにも良い影響を与える可能性があります。このように、面接官の自己開示は、新卒採用における有効なテクニックの一つと言えるでしょう。

学生が話しやすいテーマで話す

新卒採用の面接では、学生が話しやすいテーマで話すことが非常に重要です。これは学生が自分自身を自然体で表現し、面接官との関係を強化する機会を提供します。学生が自分の強み、興味、経験についてオープンに話すことができる環境を作ることで、企業は学生の真の人柄や能力をより深く理解することができます。

これは、双方にとって最も適切なマッチングを見つける上で欠かせないプロセスです。 話しやすいテーマを選ぶことは、学生に安心感を与えるだけでなく、彼らが自信を持って自分の考えや経験を共有することを促します。例えば、学生の専攻や趣味、学外での活動、将来のキャリアに対するビジョンなど、学生自身が関心を持っていることに焦点を当てることが有効です。これらのテーマは、学生が自分自身についてより多くを語り、面接官に自分を理解してもらうきっかけとなります。

さらに、学生が話しやすいテーマで会話をすることは、面接のプロセスをより対話的で相互の理解を深めるものに変えることができます。面接官が学生の話に耳を傾け、興味を示すことで、学生は自分が価値ある一員として受け入れられていると感じます。これにより、学生の自社への興味や志望度が高まり、ポジティブな面接体験が形成されます。

面接のフィードバックを行う

新卒採用において、面接後のフィードバックは学生の志望度を上げる重要なテクニックです。フィードバックは単に選考結果を伝える手段以上のものであり、企業が学生に対して真摯に向き合い、個人の成長を支援する姿勢を示す機会となります。 面接のフィードバックを通じて、学生に対して具体的な評価や改善点を提供することで、学生は自己認識を深め、今後のキャリア開発に役立てることができます。特に、ポジティブな側面を強調しつつ、建設的な批評を行うことで、学生は自己改善のための具体的な方向性を得ることができます。

また、フィードバックは企業が学生の将来の成長や成功に真剣に関心を寄せていることを示すため、学生がその企業で働きたいと感じる理由となりえます。 加えて、フィードバックは学生と企業の間に信頼関係を築く基盤となります。面接プロセスを通じて受けたフィードバックが具体的で公平であると感じた学生は、企業が公正な評価を行い、従業員の成長を大切にしていると感じるため、その企業への信頼と志望度が高まります。

さらに、フィードバックは選考プロセスの透明性を高めることにも貢献します。学生が自分の選考状況を正確に理解し、選考が公正に行われていることを感じると、たとえ結果が望ましくなかったとしても、企業に対して良い印象を持ち続ける可能性があります。 このように、面接のフィードバックを行うことは、学生に対して企業が関心を持ち、成長を支援する姿勢を示す重要な手段です。これは学生の企業への志望度を高めるだけでなく、企業のブランドイメージを向上させ、長期的な人材確保にも寄与します。

ネットにはない情報を伝える

新卒採用の面接において、ネットにはない情報を学生に提供することは、彼らの志望度を高める重要なテクニックです。現代の就職活動では、学生たちは企業についての基本的な情報をウェブサイトやSNS、掲示板などのオンラインリソースから容易に得ることができます。しかし、これらの情報源では得られない、企業の内部文化、実際の仕事の様子、従業員の日常や成長機会などの詳細を共有することで、企業は学生にとってより魅力的な存在となります。

このような情報を共有することは、学生に企業がただの職場ではなく、個々の従業員が成長し、価値を創造できるコミュニティであることを示します。例えば、具体的なプロジェクトの成功事例、社内でのメンターシッププログラム、従業員主導のイノベーションや社会貢献活動などの話は、学生が企業のビジョンと価値観に共感し、自分自身をその一部としてイメージするのを助けます。

また、現場の従業員の声やキャリアアップの実際のストーリーを共有することで、学生は自分がその企業に入社した場合のキャリアパスを具体的に想像することができます。これにより、学生のモチベーションと企業への興味が高まり、志望度が向上します。

さらに、ネットにはない情報を提供することは、学生と企業との間に信頼関係を築く上でも重要です。企業がオープンで透明性のあるコミュニケーションを心がけ、学生に対して価値ある情報を提供する姿勢を見せることで、学生は企業をより信頼し、自分たちが大切にされていると感じるようになります。

面接結果の連絡はスピーディーに行う

新卒採用において、面接結果の連絡をスピーディーに行うことは、学生の志望度を維持、あるいは高める上で非常に重要です。現代の就職市場では、特に新卒の採用プロセスは非常に競争が激しく、学生は複数の企業からのオファーを持っている状態です。そのため、迅速なフィードバックと結果の連絡は、学生に対して企業が積極的であるという印象を与えることができるのとと同時に、他社からのオファーを検討せずに自社に決めてくれる可能性を生みます。 遅延したフィードバックや結果の連絡は、学生に不安や不満を与える可能性があり、最悪の場合、企業に対する全体的な印象を損なうことにもなりかねません。

学生が長期間結果を待たされると、その間に他の企業からのオファーを受け入れる可能性が高まり、結果的に優秀な人材を逃すリスクが生じます。 また、スピーディーな連絡は学生に対する尊重の表れでもあります。学生が感じるストレスや不安を最小限に抑えることは、ポジティブな候補者体験を提供し、企業のブランドイメージを向上させる助けとなります。これは、企業が候補者を大切にし、そのキャリアと将来に真剣に関心を持っているというメッセージを伝えることができます。

迅速な結果の連絡は、採用プロセスの最終段階でのコミュニケーションの質を示すものであり、学生の企業への信頼感を高めることにもつながります。このように、面接結果をスピーディーに連絡することは、学生の志望度を上げ、最終的には優秀な人材の確保につながる重要なテクニックです。

工数が足りない場合は、ノンコア業務の切り出しも一手

新卒採用プロセスにおいて、人事部門が直面する主な課題の一つは、限られたリソースとマンパワーで高品質な採用活動を実施することです。特に学生の志望度を上げるためには、一人ひとりに寄り添った丁寧なフォローが必要ですが、日常のノンコア業務に追われることで、そのような質の高い対応が難しくなることがあります。

この問題を解決するために、ノンコア業務を外部に委託し、コア業務である学生のフォローに人事の工数を集中させる方法が有効です。 ノンコア業務とは、採用プロセスの主要な目的に直接貢献しない、しかし運営上必要な業務のことを指します。これには、データ入力、書類整理、スケジュール管理、事務手続きなどが含まれます。これらの業務を外部の専門業者に委託することで、人事部門はより戦略的かつ影響力のある活動、特に個々の学生と深く関わり、彼らの疑問に答えたり、企業文化や職場環境について情報を提供することに注力できます。

コア業務への集中は、学生との関係構築を強化し、彼らの企業への理解と興味を深めることに直結します。個別のフォローアップや、学生のニーズに合わせたコミュニケーションは、学生が自分自身を企業の一員としてイメージしやすくなるため、最終的には志望度の向上につながります。 さらに、外注による時間の節約は、人事部門が採用戦略を見直し、改善するための余裕を生み出すことができます。これは、企業が競争の激しい採用市場において、効果的に優秀な人材を確保し続けるためには不可欠です。

このように、ノンコア業務の外注は、新卒採用プロセスの質を高め、学生の志望度を上げるための戦略的な選択肢となり得ます。人事部門がより影響力のあるコア業務に集中することで、企業は効率的に、かつ効果的に優秀な新卒者を確保することが可能になります。

まとめ

新卒採用において、面接を通じて学生の志望度を上げることは、競争が激しい就職市場において企業が優秀な人材を確保する上で極めて重要です。面接は、企業が自らを学生に売り込み、学生が企業文化や仕事内容について深く理解する貴重な機会を提供します。志望度を上げるための面接の取り組みとしては、学生の話を丁寧に聞くこと、企業のビジョンや成長機会を具体的に示すこと、そして個別のキャリアアドバイスやフィードバックを提供することが挙げられます。これらのアプローチは、学生が企業に対してポジティブな感情を抱き、自分自身をその一員としてイメージできるようにするために不可欠です。

しかし、人事部門の工数が限られている場合、これらの質の高い面接の取り組みを実施することが難しい場合があります。このような状況では、ノンコア業務を外部に委託することが一つの解決策となります。ノンコア業務とは、書類の整理やスケジューリングなど、直接採用のコア活動には関わらないが運営に必要な業務のことです。これらの業務を外注することで、人事部門は学生とのより質の高い対話に集中できるようになります。

このような取り組みは、学生が面接を通じて企業に深い関心を持ち、志望度を高めることに直接的に寄与します。また、学生が企業との面接経験を通じて得たポジティブな印象は、将来的に彼らがその企業で長期的に働く動機にもなり得ます。したがって、面接の質を高めるための戦略的な取り組みは、新卒採用における成功の鍵となり、ノンコア業務の外注はその実現に向けた有効な手段です。


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筆者:ナンバーズ株式会社

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