RPO ピックアップ 公開日:2024/04/25 更新日:2024/04/24

採用代行(RPO)の 利用企業が増加している理由とRPO市場の将来性

RPO市場の拡大は、多様な採用手法の普及と密接に関連しています。 当記事では、拡大するRPOサービスを利用することのメリット、実際の成功事例や、RPOサービスの簡単な導入方法について、お伝えします。


採用代行(RPO)とは?

RPOで依頼できる業務

採用代行(RPO、Recruitment Process Outsourcing)は、企業がその採用活動の一部または全部を専門のサービス業者に外部委託することを指します。このサービスを利用することで、企業は採用プロセスの効率化やコスト削減、より高い採用の質を実現することが期待されます。実際に、2014年に5,108億円だったRPO市場は、2019年には7,815億円にまで拡大し、約1.5倍の成長を遂げています。この数字は、多くの企業がどれだけRPOを重視しているかを示しており、特に人手不足が課題となっている現代において、その需要はさらに高まっています。

RPOの提供業務は多岐にわたりますが、主なものには求人広告の管理、履歴書のスクリーニング、候補者との初期面接の実施、オファーマネジメント、オンボーディングの支援などがあります。これにより、企業は採用に関連する複雑で時間がかかるタスクを効果的にアウトソーシングすることができ、より戦略的な業務に集中することが可能になります。

RPO市場の状況

さまざまな採用手法が普及したことでRPO市場が成長

RPO市場の拡大は、多様な採用手法の普及と密接に関連しています。現代の採用環境は、高度な技術と戦略が求められるため、多くの企業では自社の内部リソースだけでは迅速かつ効率的な採用が難しいという状況に直面しています。特に、ソーシャルメディアの活用、高度なデータ分析、ターゲットを絞ったアプローチなど、新しい採用技術や手法が登場しており、これらを駆使するためには専門的な知識と経験が必要です。

このような背景から、採用のプロフェッショナルであるRPO業者に業務を委託する企業が増えています。RPO業者は、最新の採用技術や市場の動向を理解し、効果的な採用戦略を提案することができます。これにより、企業は採用プロセス全体をスムーズに進めることが可能となり、質の高い人材を確保することができるようになります。

また、RPOはコスト削減にも寄与します。企業は高額な採用関連の投資を避けつつ、専門的なサービスを利用することで、より効果的に人材を獲得できるのです。このため、RPO市場はさらに成長を遂げることが予想されます。

世界規模でも年20.8%のペースで成長

RPO市場は、近年、世界規模で顕著な成長を遂げており、特に東南アジアを含む地域での拡大が注目されています。2019年には約6092.4 million米ドル(約6000億円)の市場規模であったことが、米国の市場調査コンサルティング会社Research Nesterによって報告されています。この成長の背景には、グローバルなビジネス環境の変化と、企業の採用ニーズの多様化があります。

2020年から2028年にかけてのRPO市場の予測成長率は年平均20.8%とされており、2028年末には約32059.5 million米ドル(約3兆2000億円)に達すると見込まれています。この急速な成長は、企業がより戦略的な人材獲得を求めていること、また新興市場における経済発展が進んでいることが主な要因です。企業がグローバルな競争力を維持するためには、効率的で効果的な採用手法が必要不可欠であり、専門的なRPOサービスの利用がその解決策となっています。

また、技術の進化もRPO市場の成長を後押ししています。デジタル技術や人工知能の導入により、採用プロセスの自動化と最適化が進み、より多くの企業がRPOを採用する理由となっています。このように、RPO市場の拡大は、企業が直面する複雑な採用課題への効果的な対応と、技術進化の利用が相まって、今後も続くと考えられます。

約7割の人事担当者がアウトソーシングサービスを利用

近年、約7割の人事担当者がアウトソーシングサービスを活用していることが明らかになりました。これは、人材派遣・人材紹介のマンパワーグループが実施した400名の人事担当者を対象とした調査からのデータです。この高い比率は、採用や人事業務の外部委託がいかに一般的であるかを示しています。

企業がアウトソーシングを選ぶ主な理由は、採用プロセスの効率化と専門性の向上にあります。専門的なRPOプロバイダーは、最新の採用技術や方法を駆使して企業の採用ニーズに応えることが可能です。このため、内部リソースの不足や専門知識の欠如を補いながら、企業はより質の高い候補者を獲得できるようになります。

また、RPOの利用は、企業が採用コストを削減し、人事部門の負担を軽減する効果も持っています。専門業者による効率的なスクリーニングや選考プロセスは、時間とコストの節約に直結し、企業が戦略的な人材管理に注力できる余地を生み出します。

このように、RPOの利用が増える背景には、採用の質の向上、コスト削減、効率化へのニーズが高まっていることがあり、これらの要因が市場の拡大を後押ししています。今後も多くの企業がこれらの利点を活かす形で、さらにRPOサービスの利用を拡大していくことが予想されます。

RPOを利用することでのメリット

採用のコア業務に注力できる

RPOを利用することによる主要なメリットの一つは、企業が採用のコア業務に注力できるようになる点です。RPOプロバイダーは、採用活動の日常的な運用面を担当することにより、企業の人事部門が戦略的なタスクに集中できる環境を提供します。これには、組織の長期的な人材戦略の策定や、社内での人材育成プログラムの開発などが含まれます。

採用プロセスの多くは、求人の公開、応募者のスクリーニング、初期面接の実施といった時間を要する作業です。これらをRPOサービスに委託することで、企業はこれらの煩雑な作業から解放され、より戦略的な業務、例えば企業文化の浸透やリーダーシップの開発、従業員のエンゲージメント向上といった分野にリソースを向けることができます。

さらに、RPOを利用することで、採用プロセス自体の質も向上します。RPOプロバイダーは最新の採用技術とトレンドに精通しており、企業のニーズに合わせた効率的かつ効果的な採用戦略を提案できるため、より適切な候補者を短期間で見つけ出すことが可能となります。これにより、企業は迅速に高品質な人材を確保し、競争優位性を保つことができるのです。

このように、RPOの利用は、企業が採用業務の効率化と質の向上を同時に実現し、結果として採用のコア業務に集中することを可能にします。これは、組織の成長と発展を支えるための重要な戦略となっています。

採用担当を雇うよりも安価に導入できる

RPOを利用する主なメリットの一つは、内部で採用担当者を雇うよりもコストが削減できることです。企業が自社で採用チームを設置する場合、その給与、トレーニング、および関連する人材管理コストが発生します。これに対して、RPOサービスはこれらの固定費用を変動費に置き換えることができるため、企業は必要な時にのみ採用サービスに投資することが可能です。

また、RPO業者は専門的な知識とリソースを持っているため、求人広告の展開や候補者のスクリーニングといったプロセスをより効率的に実行できます。これにより、企業は広告やリクルーティングツールへの投資を抑えつつ、高品質な採用結果を得ることができます。また、RPOは採用活動のスケールに応じてサービスを調整できるため、必要以上の人員やリソースを割くことなく、コスト効率良く運用することが可能です。

このように、RPOは企業にとって財務的な負担を軽減しながら、採用プロセスの質を維持または向上させる効果的な選択肢となります。採用にかかるコストを最適化し、組織全体の運営効率を高める手段として、多くの企業がRPOの導入を進めています。

使いこなせていない採用手法を活用できる

RPOを利用することで、企業は自身で使いこなせていなかった採用手法を効果的に活用できるようになります。多くの企業では、最新の採用技術や手法の迅速な導入と運用が難しい場合がありますが、RPO業者はこれらの最先端技術に精通しており、データ分析、AIを活用したスクリーニング、デジタルマーケティングなど、高度な技術を駆使して効率的な採用活動を支援します。

この専門性は、特にニッチなスキルを持つ候補者を求める際や、特定の業界に特化した知識が必要な場合に顕著な利点となります。RPOプロバイダーは、広範囲にわたるネットワークと業界知識を活用して、適切な候補者を効率的に見つけ出すことができます。また、彼らは企業のブランドを市場に適切に位置づけ、魅力的な雇用主としてのイメージを形成するための戦略も提供します。

こうした専門的なサポートにより、企業は自力で実現が困難な採用戦略を実行できるようになり、採用の質と効率を同時に向上させることが可能です。RPOを利用することで、企業はこれまで活用できていなかった先進的な採用手法を取り入れることができ、より競争力のある人材獲得が実現します。

RPOを利用することでのデメリット

採用ノウハウを蓄積しにくい

RPOの使用は、採用ノウハウの内部蓄積が困難になるというデメリットがあります。企業がRPO業者に採用プロセスの一部または全部を委託すると、直接的な採用経験や専門知識が内部で蓄積されにくくなります。これにより、採用活動の自立性が低下し、RPOサービス終了後に自社で効果的な採用を行う能力が弱まる可能性があります。

採用における重要な判断や戦略の立案能力も育ちにくくなるため、候補者選定、面接技法の開発、採用ブランディング戦略などのスキルが発展する機会が減少します。さらに、RPO業者が管理する採用データのアクセスが限定されることで、市場の動向や採用効果の評価に必要なインサイトを得ることも難しくなります。

これらの問題に対処するために、企業はRPOプロバイダーと協力して知識やスキルのトランスファーを定期的に行う、特定のプロセスのみを外部委託するなどの戦略を検討する必要があります。これにより、外部の専門性を利用しつつ、内部の採用能力も強化できます。

コミュニケーションミスによって時間がかかる場合がある

RPOを活用する際には、コミュニケーションの課題がデメリットとして現れることがあります。RPO業者との間でのコミュニケーションが不十分であったり、誤解が生じたりすると、採用プロセスが遅れる原因になることがあります。具体的には、企業の採用基準や求める候補者の質がRPO業者に正確に伝わっていない場合、不適切な候補者が選考される可能性があります。これにより、選考プロセスのやり直しが必要となり、結果的に採用までの時間が長引くことがあります。

これらのコミュニケーションの問題を避けるためには、RPO業者との間で明確で一貫したコミュニケーションチャネルを確立し、定期的なミーティングやアップデートの機会を設けることが重要です。また、期待管理を適切に行い、双方の理解を深めることが求められます。こうした対策を講じることで、コミュニケーションに起因する遅延を最小限に抑えることが可能です。

まとめ

採用代行(RPO)の利用企業が増加している主要な理由は、グローバル化と技術進化が進む中で、企業がより効率的かつ戦略的な採用を求めているからです。RPOは、採用プロセス全体を専門の業者が代行することにより、採用コストの削減、採用プロセスの効率化、より質の高い人材の確保を実現します。これにより、企業は内部リソースを他の戦略的な活動に集中させることができ、全体的な業務効率が向上します。

また、市場の動向を捉えたデータ駆動型のアプローチや最新技術の活用が、RPO業者によって提供されるため、これまで企業が自ら行うことが困難だった先進的な採用手法が可能となります。このような背景から、多くの企業がRPOサービスの利用を選択しており、市場は引き続き成長を見せています。

将来性についても、RPO市場は非常に明るいと考えられています。特に技術の進化により、人工知能(AI)や機械学習を利用した効率的な候補者スクリーニングや選考プロセスの自動化が進むことが予想されます。また、新興国市場の経済成長に伴い、新たな人材需要が生まれることから、これらの地域でのRPOサービスの需要が増加すると見られています。これらの要因により、RPO市場は今後も引き続き拡大していく見通しです。


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筆者:ナンバーズ株式会社

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