リクルーティング ピックアップ 公開日:2024/03/25 更新日:2024/03/25

【企業側】OB ・OG訪問のときはどうする?学生に好印象を与える対応の仕方

OB・OG訪問とは、学生が現役または元社員の先輩に対して訪問することを指します。 当記事では、OB・OG訪問のメリット、実際の成功事例や、OB・OG訪問の効果を際だかさせるための導入方法について、お伝えします。

OB・OG訪問とは?

新卒採用において、OB・OG訪問とは、学生が就職活動の一環として、卒業生である先輩(OB・OG)にアポイントメントを取り、実際に会って話を聞くことです。この訪問を通じて、学生はその企業の社風や実際の業務内容、職場環境など、公式な採用情報だけでは得られないリアルな情報を得ることができます。また、企業側にとっても、自社の魅力を直接的に伝え、優秀な人材を引きつける機会となります。

OB・OG訪問を受け入れる目的

新卒採用におけるOB・OG訪問の目的は多岐にわたりますが、主に学生と企業双方にとっての情報交換と人的ネットワークの構築が中心です。学生にとって、この訪問は企業の内部情報を直接得る貴重な機会です。公式な採用資料やウェブサイトでは伝わりにくい、実際の職場の雰囲気や社員の人柄、仕事のリアリティを知ることができます。特に、企業文化や仕事のやりがい、キャリアパスなど、自分が働く上で重視する点を深堀りすることが可能です。

一方、企業側にとっても、自社を正確に理解してもらい、将来有望な学生を早期に見つけ出し、引きつけるチャンスとなります。直接的なコミュニケーションを通じて、企業の強みや魅力を伝えることで、学生の志望度を高めることができます。また、OB・OGを介した自然な形での接触は、企業イメージの向上にも繋がります。

加えて、OB・OG訪問は、学生にとっての自己分析やキャリア形成の観点からも重要です。実際に業界や職種についての情報を収集し、自身の適性や興味と照らし合わせることで、より具体的なキャリアプランを描くことができるようになります。OB・OGからのフィードバックやアドバイスは、自己理解を深め、自分に合った職場選びの手助けとなります。

OG訪問を受け入れる時期はいつか

OB・OG訪問を受け入れる時期は、主に企業や業界によって異なりますが、一般的には新卒採用活動が本格化する前、学生が就職活動を開始する約1年前から始まることが多いです。日本では、新卒採用のスケジュールが年度ごとに定められており、企業はこの時期に合わせて情報セッションや会社説明会を実施します。そのため、OB・OG訪問のピークは、学生が就職活動を始める前年の夏から秋にかけてとなります。この時期に訪問を行うことで、学生は早期に業界や企業についての理解を深め、自己分析や企業研究に役立てることができます。

ただし、企業や業界によっては、年間を通じてOB・OG訪問を受け入れている場合もあります。特に、積極的に人材を確保しようとする企業では、早い段階から学生との接触を重視し、柔軟に訪問を受け入れることがあります。また、学生の側から見ても、就職活動のピーク時期には多くの学生がOB・OG訪問を希望するため、スケジュールが埋まりやすくなります。そのため、できるだけ早期にアプローチすることが推奨されます。

受け入れる時期の決定にあたっては、企業の採用計画やスケジュール、学生の就職活動のタイムラインなどを考慮し、適切な準備と対応が求められます。企業側は、OB・OG訪問を受け入れることで、優秀な学生との出会いの機会を増やし、自社の魅力を直接伝えることができるため、戦略的に活用することが重要です。

OB・OG訪問のメリット

OB・OG訪問は、学生と企業双方にとって数多くのメリットを提供します。学生にとっては、企業の内部情報を直接得られる最良の機会の一つです。公式の採用情報やウェブサイトでは捉えきれない、職場の雰囲気や社風、実際の業務内容についてのリアルな情報を、現役または過去の社員から直接聞くことができます。このような生の情報は、自分に合った企業選びをする上で非常に貴重です。また、具体的なキャリアパスや成長機会に関する情報を得ることもでき、自己成長への意欲を高める効果も期待できます。

企業側にとっても、自社の魅力を直接的に伝え、優秀な人材を引きつける絶好のチャンスとなります。OB・OGを通じた情報提供は、企業文化や価値観をより深く理解してもらうための効果的な手段です。また、企業はOB・OG訪問を通じて、学生のニーズや関心、市場のトレンドを把握することができ、これらの情報を採用戦略のブラッシュアップに役立てることが可能です。

さらに、OB・OG訪問は、企業と学生間のネットワーキングの機会を提供します。この個人的なコネクションは、学生が企業を深く理解し、企業が有望な候補者を見つける上で重要な役割を果たします。互いにとって有益な情報交換の場となり、より良いマッチングを実現する基盤を築くことができます。

OB・OG訪問のデメリット

OB・OG訪問は有益な情報交換の場として多くのメリットを提供する一方で、注意すべきデメリットも存在します。一つの問題点は、OB・OGの経験や見解が必ずしも現在の企業状況を正確に反映していない可能性があることです。企業の方針や業務内容は時間と共に変化するため、過去の経験に基づく情報が古くなっている場合があります。そのため、学生は受け取った情報を鵜呑みにせず、複数の情報源からの確認が必要です。

また、OB・OG訪問は時間と労力を要するプロセスであり、学生が就職活動の中で限られたリソースをどのように配分するかを考える必要があります。効率的に情報を集めるためには、訪問する企業や話を聞く人を慎重に選ぶことが重要ですが、これが逆に負担になることもあります。

企業側にとってのデメリットとしては、OB・OG訪問を受け入れることによる業務の中断やリソースの分散が挙げられます。社員が業務から離れて学生との面談に時間を割くことは、日々の業務に影響を与えかねません。特に小規模な企業や忙しい時期には、この点が課題となる場合があります。

加えて、企業のブランドイメージに与える影響も考慮する必要があります。OB・OGが不適切な情報を提供したり、学生とのコミュニケーションがスムーズでなかった場合、企業のイメージにネガティブな影響を与える可能性があります。これは、企業にとっては特に慎重に管理すべきリスクの一つです。

受け入れの際に気を付けるべきポイント

面接のような雰囲気を出さない

OB・OG訪問では、企業側が面接のような雰囲気を出さないように注意することが非常に重要です。この理由は、OB・OG訪問の本質が情報交換と相互理解にあるためです。面接のような緊張感あふれる環境では、学生がリラックスして質問しにくくなり、結果として本来得られるはずの有意義な情報交換が妨げられます。OB・OG訪問は、企業文化や職場の雰囲気、実際の業務内容について学生が深く理解するための貴重な機会です。学生がオープンに質問でき、自由に意見を交換できる環境を提供することで、学生は企業のリアルな姿を知ることができ、自分に合った企業選びをするための判断材料を得ることができます。

また、面接のような形式的な雰囲気ではなく、カジュアルな対話を心がけることで、学生と企業側の間に信頼関係を築くことができます。学生は自分のキャリアに対する不安や疑問を正直に話すことができ、企業側はそれに対して具体的なアドバイスや情報を提供することが可能になります。このような相互理解のプロセスを通じて、学生は自分自身のキャリアプランをより明確にし、企業は優秀な人材を引きつけるチャンスを得ることができます。

学生のプライバシーを尊重する

OB・OG訪問の際に企業側が学生のプライバシーを尊重することの重要性は、信頼関係の構築と倫理的な対応の観点から非常に大きなものがあります。学生は自身のキャリアについて相談するために企業を訪問しますが、その過程で教育背景やキャリアの希望、個人的な興味や関心など、多くの個人情報を開示することになります。企業がこれらの情報を適切に取り扱い、学生のプライバシーを尊重することで、学生は安心して自己開示を行い、より深い相談が可能になります。

プライバシーの尊重は、学生にとっての安全で開かれたコミュニケーションの場を提供するという点で重要です。学生がプライバシーを侵害されることなく、自由に意見を述べられる環境を整えることで、企業は学生から信頼を得ることができます。これは、長期的な観点から見ても企業のポジティブなイメージ構築に寄与します。また、適切なプライバシー保護の取り組みは、企業の倫理観と社会的責任を反映するものであり、社外への良好なメッセージとなり得ます。

さらに、学生とのやり取りで得た個人情報の取り扱いには、法的な側面も考慮する必要があります。個人情報保護法などの法律に違反することなく、情報の収集、利用、管理を行うことは、企業が法令遵守とコンプライアンスを保持する上で不可欠です。適切なプライバシー保護の実施は、企業が法的リスクを回避し、社会的信頼を維持するためにも重要な要素となります。

学生からの質問と回答を想定しておく

OB・OG訪問の際に企業側が学生からの質問と回答を想定しておくことの重要性は、効果的なコミュニケーションと正確な情報提供の確保にあります。学生は、就職活動を通じて自分に合った企業を見つけることを目指しており、そのプロセスで企業の業務内容、社風、キャリアパスなどについて具体的かつ深い理解を求めます。企業側があらかじめこれらの質問に対する回答を準備し、想定しておくことで、学生の疑問に対して明確かつ迅速に答えることが可能となります。

さらに、学生からの質問への対応を通じて、企業は自社の魅力や強み、文化を効果的に伝える機会を得ることができます。学生の関心が高いテーマや頻出の質問に対する答えを用意することで、企業は自己プレゼンテーションの質を高め、優秀な人材を引きつけるチャンスを増やすことができます。

「で、何が聞きたいの?」といった姿勢はNG

OB・OG訪問において、企業側の代表として対応するOB・OGが「で、何が聞きたいの?」といった姿勢を取ることは避けるべきです。このような態度は、学生にとって不親切で受け入れがたいものと映り、企業に対するネガティブな第一印象を与える可能性があります。

OB・OGは企業の顔として、企業文化や価値観を体現する存在です。彼らの対応一つ一つが、学生がその企業をどのように捉えるかに直接影響します。したがって、OB・OGは学生からの訪問を歓迎し、エンゲージメントとサポートを示す姿勢を持つことが重要です。これにより、学生にとってポジティブな体験となり、企業に対する良好な印象を形成することができます。

就職活動における規定を順守する

OB・OG訪問の際に企業側が就職活動における規定を順守することの重要性は、公平な採用プロセスの保証と法的なリスクの回避に直結します。就職活動のルールは、学生と企業双方に対して平等な機会を提供し、透明性と公正性を確保するために設けられています。企業がこれらの規定を守ることは、自社の採用プロセスが公平であることを示すとともに、全ての学生に対して平等な扱いがなされることを保証します。

OB・OG訪問を含む採用活動全般において、企業は就職活動の規定を遵守し、倫理的かつ法的に責任ある行動を取ることが求められます。これにより、企業は公正な採用プロセスを維持し、学生、社会、自社に対して責任ある姿勢を示すことができます。

ハラスメントになりうるような言動は厳に慎む

OB・OG訪問の際にハラスメントになりうるような言動を慎むことは、参加者の尊重と安全を確保し、企業のイメージと法的な責任を守る上で極めて重要です。ハラスメント行為は企業のイメージに甚大な損害を与える可能性があります。特に就職活動中の学生は、企業の対応や雰囲気を重視しており、不適切な言動はSNSや口コミを通じて瞬く間に広まり、企業のブランドや信頼性を著しく損なうことになります。このような状況は、将来の優秀な人材の確保にもネガティブな影響を及ぼすことになりかねません。これらのリスクを避けるためにも、企業はハラスメント防止に関する教育や研修を徹底し、すべての従業員が適切なコミュニケーションの方法を理解し、実践することが必要です。

どんな学生だったかを人事に共有する

OB・OG訪問の際に企業側が注意すべきポイントの一つとして、訪問した学生の様子や印象を人事部門と共有することがあります。この共有の必要性は、主に学生の興味や質問内容からその人の特性や適性を把握し、企業として適切な対応を計画するためです。学生がどのような点に関心を持ち、どのような質問をしたかは、彼らのキャリア志向や企業への期待を反映しており、これを基に企業はよりパーソナライズされた情報提供やフォローアップを行うことが可能になります。

また、学生の行動や態度、対話の内容を共有することで、人事部門は学生に対する詳細な理解を深めることができます。これは、将来的な採用プロセスにおける選考基準の精度を向上させるため、また、企業文化に合った人材を見極めるために非常に役立ちます。

共有された情報は、企業が学生に対してより適切なポジションやキャリアパスを提案するための貴重なデータとなり、採用のマッチング精度を高めることに貢献します。さらに、企業側はこの情報を活用して、将来の採用戦略や学生向けのコミュニケーションプランの改善に役立てることができます。

重要なのは、共有する情報がプライバシーを尊重し、適切な範囲内で行われることです。個人の尊厳を損なうような情報の取り扱いは避け、倫理的なガイドラインに沿った情報共有が求められます。

まとめ

OB・OG訪問は、学生が企業の現役または元社員と直接交流し、企業文化や業務内容などのリアルな情報を得ることを目的としています。この訪問は、学生にとっては実際の職場環境を理解する絶好の機会であり、企業にとっては自社を魅力的に紹介し、優秀な人材を引きつけるチャンスです。

メリットとして、学生はフォーマルな面接や企業説明会では得られない具体的な情報を得ることができ、自身のキャリアビジョンに合った企業選びが可能になります。企業側も、学生と直接コミュニケーションを取ることで、自社の魅力を深く伝え、企業文化にフィットする人材を見極めることができます。

デメリットとしては、準備不足やコミュニケーションの失敗が、学生に対して企業のネガティブなイメージを植え付けるリスクがあります。また、企業側の業務に負担がかかることや、プライバシーの扱いに注意が必要な場合もあります。

実施にあたっての注意点としては、事前にOB・OGと学生双方に明確なガイドラインを設定し、ハラスメントを避け、プライバシーを尊重することが重要です。また、学生からの質問に対して適切に回答できるよう、事前に準備をしておく必要があります。

コミュニケーションを設計するためには、自社の魅力を明確に理解し、それを効果的に伝えることが不可欠です。この「魅力の洗い出し」作業には、企業内部の見解だけでなく、外部の専門家の視点を取り入れることが有用です。専門家は客観的な視点から企業の強みや魅力を分析し、市場や業界内でのポジショニングを明確にすることができます。また、新たな視点やアイデアを提供し、学生にとって魅力的なコミュニケーション戦略の策定を支援します。

OB・OG訪問は企業と学生の間で有意義な情報交換を促進する貴重な機会であり、適切な準備と実施によって、双方にとってのメリットを最大化することができます。



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