人的資本経営 ピックアップ 公開日:2023/10/30 更新日:2023/10/26

人的資本経営において重要な「制度開示」とは何か

「制度開示」は法制度上の義務や重要な内容を指し、人的資本経営においては他の事項とは異なる扱いを受けます。これは「働き方改革」の一環で、一億総活躍社会を実現するために2017年以降に多くの法律と制度が導入されました。これには企業の労務管理の改善、労働時間の規制、女性の活躍促進、育児・介護支援、同一労働同一賃金、メンタルヘルスと健康管理の強化などが含まれます。これらの制度は、個人のライフステージや特性に合わせた活躍を促進することを目指しています。
そこで今回は、社会保険労務士・公認心理師・認定 AI ジェネラリストの松井 勇策先生から、人的資本経営で最も重要な観点と実務のプロセス について、お伝えします。

制度開示とは

法制度上の義務になっていたり制度上採り上げられていたりするような重要な内容は人的資本経営においては「制度開示」と呼ばれ、任意である他の事項とは別の扱いになっています。制度開示には下記のようなものがあります。繰り返しになりますが、これらの制度開示の主題はほとんど共通しており、「ライフステージと個人の特性に応じた活躍」を目指すものであるということです。

こうした制度開示は、特に「働き方改革」において徹底した実現が目指されました。「働き方改革」は「一億総活躍社会」をつくるための最大のチャレンジだとされ、2017年以降に「働き方改革関連法」をはじめとする多くの法令や制度が施行されました。
企業の労務管理の体制を整備し、労働時間のルールの厳格化、女性活躍の推進、育児介護関係の制度の整備、同一労働同一賃金制度、メンタルヘルスや健康管理制度の厳格化などが行われました。

多様な働き方を可能にし、企業の生産性の向上とイノベーションを促し、あらゆる人が主体的なキャリアプランをつくることを可能にする、日本の企業文化から、日本人のライフスタイルまでの全てを変える改革として行われました。この時に働き方に関して、特に残業や管理の考え方が社会的に変わったことは実感のある方も多いのではないでしょうか。ただし、残業の削減やライフイベントへの対応の厳格化はある程度行われましたが、特にまだライフステージに応じた働き方については課題が多く、また働く方の主体的なキャリアへの自覚を促すという部分は結果的に働き方改革ではあまり意識されていないものと言えます。人的資本経営は、こうした「働き方改革」の徹底できていない部分への対応として整備された側面が強く、特に以下に見る「制度開示」では、単に社会で共通のルールを定めるのではなく、各企業の課題設定と取り組みとして必要なものがルール化されていると言えます。

制度開示に関する法令となっている、女性活躍推進法・次世代法・副業ガイドライン・育児介護休業法・若者雇用促進法・労働施策総合推進法などは全てこの時期にできたり、大幅に改正され増強されたりされています。また、制度開示における課題を分析したり施策を立案したりするためには、働き方改革などで成立したものを含め、労働関係の国内法への知識や、自社でどのような対応を行っているかということの整理が欠かせないと言えます。

制度開示の詳細内容

制度開示については、人的資本経営が本格化する中で改正や整備が進んでおり、特に法改正に注目すると以下のような内容が特に注目されます。


2022年の「新しい資本主義に関するグランドデザインと実行計画」において主要な政策として進めることが明記され、上記のように順次関係する法改正が実施されています。2023年には、上場企業に関する有価証券報告書の記載事項に関する金融商品取引法に関する改正が行われ、今後の推進が行われていくことになります。

制度全体では、以下のような制度開示が行われています。より網羅的に、現在の法制度の中で制度開示にあたる内容が規定されている制度を、それぞれの規模要件など適用される要件と施行時期まで網羅して記載したものが以下です。


「制度開示」は「働き方改革」の一環として重要で、法的義務や重要な事項を強調し、個人のライフステージに合わせた働き方を促進するための概念です。これに関連する法律や制度が多く整備され、労働環境が改善されました。しかし、まだ課題が残り、個人のキャリア意識の向上が必要です。

「働き方改革」は、日本の企業文化やライフスタイルを変革し、一億総活躍社会の実現を目指す大きなチャレンジであり、労働時間の規制、女性活躍推進、育児介護支援などが導入されました。しかし、ライフステージに合わせた働き方については課題が残り、個人のキャリアプランに対する自覚が不足しています。

「制度開示」に関連する法律は多岐にわたり、労働関係の国内法の知識が必要です。法改正や整備も進行中で、今後も改革が続くでしょう。このような制度改革は、より良い労働環境とキャリア発展を目指す日本の労働文化の変革を支えています。



本コラムで取り上げている企業課題に関するご相談や、
弊社サービスに関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。




▼お客様の採用課題を解決するナンバーズのRPO「採用業務最適化サービス」

▼お客様のあらゆるコール業務に対応するナンバーズのBPO「コールセンターサービス」

▼就職活動課題を解決するナンバーズの大学生向け就活支援「自力をつける就活プロジェクト」

▼人材紹介をフル活用して採用活動を最適化するナンバーズのANS「母集団形成の最大化サービス」

筆者:松井 勇策 社会保険労務士・公認心理師・認定 AI ジェネラリスト

フォレストコンサルティング経営人事フォーラム代表 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授(専門領域:人的資本経営論等) (一社)人間能力開発機構 評議員 人的資本経営検定試験委員長(関連資格)GRI スタンダード国際認定・ISO30414 アセッサー 東京都社労士会 先進人事経営検討会議 議長 名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて組織人事コンサルティング、のち経営管理部門で法務・IT マ ネジメント・東証一部(当時)の上場監査等を行う。社労士・公認心理師の資格取得後に独立。人的資本経営の情報発信やコンサルティング・成長企業のIPO労務監査等を多く実施、ほか適性検査やエンゲージメントサーベイなどHR 関係商品の開発顧問、HR 関係メディア制作顧問等も複数行っている。

約3分で採用活動課題を明確化!NUMBERZ 採用力診断

  • 自社の採用方法が
    最適なものなのか確かめたい
  • 昨年度採用の振り返り、
    採用施策の検討ができていない
  • 採用がうまくいっていないと感じるが、改善点が分からない

様々な採用課題の解決策をご提案いたします。