新卒採用 ピックアップ 公開日:2024/02/27 更新日:2024/02/27

入社後のモチベーションを上げる入社式コンテンツとは

入社式とは、新入社員を正式に迎え、企業文化やビジョンを共有することを目的とした式典です。 当記事では、入社式のメリットや、入社式コンテンツの事例について、お伝えします。

INDEX

入社式を行う目的

入社式とは

入社式とは、新入社員を正式に迎え、企業文化やビジョンを共有することを目的とした式典です。このイベントは、新入社員が自らの新たなスタートを祝い、企業が新たなメンバーを歓迎する機会を提供します。

入社式の起源を特定するのは難しいですが、日本の企業文化が形成された明治時代以降、特に戦後の高度経済成長期に、企業が人材を確保し、育成するためのシステムとして確立されたと考えられています。この時期、多くの企業が大量の新卒者を採用し、企業の長期的な発展と従業員の安定した雇用を確保するための制度を整えました。入社式は、そうした制度の一環として、新入社員の社会人としてのスタートを祝い、企業文化への同化を促すために行われるようになりました。

会社の一員になった実感を生じさせる

入社式は新入社員に、自分が会社の一員になったという実感を持たせるためのものです。入社式では、企業のミッション、ビジョン、価値観が共有されます。新入社員は、企業の目標や理念について学び、それらを自身の仕事にどのように反映させるかを考えます。この過程で、企業文化の一部としての自己のアイデンティティーを形成し、企業の大きな目的の中で自分の役割を見出すことができます。

新入社員同士、または先輩社員とのコミュニテイーづくり

入社式は、新入社員同士や先輩社員との関係構築の場でもあります。共通の体験を通じて、社内でのコミュニケーションの土台を築き、チームワークを促進します。共有体験は人々を結びつける強力な要素であり、同期の仲間との絆は、今後のキャリアを通じて重要な支えとなり得ます。これらの関係は、チームワークと協力の精神を促進し、職場での一体感を強化します。

スタンダードな入社式の内容

開会の挨拶

入社式は通常、人事部長や式典の司会者による開会の挨拶から始まります。この挨拶は、入社式の目的と、それが企業にとってなぜ重要なのかを強調し、新入社員が企業の一員として迎え入れられるこの特別な瞬間の意義を共有します。参加者に対してポジティブな印象を与え、式典に対する期待を高めるために、明確で簡潔、かつ心温まる内容が求められます。

社長・経営陣による祝辞・スピーチ

社長や経営陣による祝辞やスピーチは、新入社員への歓迎のメッセージを伝える重要な部分です。新入社員に対する企業の期待を表明し、彼らが企業の将来において果たす役割の重要性を強調します。これにより、会社のビジョンや目指すべき方向性を共有し、新入社員のモチベーションを高めます。

新入社員による答辞

新入社員代表による答辞は、新入社員側からの感謝と決意を表明する機会です。企業への貢献への意欲や、新たなスタートへの期待感を伝えます。新入社員が答辞を行うことは、彼らが企業の一員としての責任と義務を認識し、受け入れる瞬間を象徴します。この行為により、自身のキャリアにおける新たなステージへの一歩を踏み出すことの重要性と、それに伴う責任感が強調されます。

入社辞令の交付

入社式のハイライトの一つが、新入社員一人ひとりに対する入社辞令の交付です。入社辞令は、企業から新入社員への正式な採用を宣言する文書です。この文書には、新入社員の名前、採用日、職位、配属部署などの詳細が含まれる場合があります。

入社辞令は、入社式の中で経営陣または人事部門の責任者が舞台上で新入社員に対して一人ひとり手渡すことが一般的です。この瞬間は、新入社員が自身の採用が正式に認められたことを実感する、新入社員にとって忘れられない瞬間となります。

 記念撮影

式典の途中または終了後に行われる記念撮影は、単に写真を撮る行為以上の意味を持ち、新入社員が企業の一員としての新たなスタートを切る上で、精神的な支えやモチベーションの源泉となります。また、年度ごとの入社式の集合写真は、企業の歴史の一部としてアーカイブされ、企業の成長と変遷を伝える貴重な資料にもなります。

歓迎会

入社式の後、多くの企業では新入社員を歓迎するための歓迎会が開催されます。歓迎会を通じて、新入社員は会社の文化や価値観をより身近に感じることができます。肩ひじを張らない形での情報共有や先輩社員からの助言は、組織の内部規範や期待に迅速に適応するのに役立ちます。また、入社初日の緊張感を和らげ、リラックスした雰囲気で新しい職場環境に適応するための支援を提供します。友好的な交流は、新入社員が不安を感じることなく、新しい環境に溶け込むのを助けます。

閉会の挨拶

入社式における閉会の挨拶は、式典の最後に行われる重要な部分であり、式を締めくくる役割を果たします。この挨拶は、通常、企業の高位の役員や人事部門の責任者によって行われます。入社式が新入社員にとっての新たな始まりであること、そして彼らがこれから企業の一員として期待される責任と役割について改めて強調されます。新入社員に対して、自己成長のために積極的に学び、チャレンジすること、チームワークの重要性、企業の目標達成に向けて貢献することなど、具体的な行動を促すメッセージが含まれることがあります。

入社式のために準備しておくべきこと

会場の確保と日程調整

入社式を成功させるためには、会場の確保と日程調整が極めて重要です。入社式の会場は、参加者に与える最初の印象を形成します。清潔で適切に装飾され、必要な設備が整った会場は、式典の重要性を際立たせ、新入社員にとって忘れられない体験を提供します。

会場は、参加者全員を快適に収容できるサイズでなければなりません。狭すぎると混雑し、広すぎると空虚な印象を与えかねません。適切な会場選びは、式典の流れをスムーズにし、参加者の満足度を高める上で重要です。

また、会場は参加者にとってアクセスしやすい場所にあることが望ましいです。交通の便が良く、駐車場が確保されている場所は、参加者がストレスなく式典に参加できるようにします。

さらに、音響設備、プロジェクター、マイクなどの必要な設備が整っていること、また、場合によってはケータリングや受付の手配が可能な会場を選ぶことが重要です。

入社式を行う日程については、新入社員だけでなく、経営陣や他の従業員、場合によっては新入社員の家族も参加することを考慮して、皆が参加しやすい日時を選ぶことが重要です。

入社式に必要な準備には時間がかかります。会場装飾、招待状の発送、プログラムの確定など、細部にわたる準備を完璧に行うためには、適切な日程設定が必須です。

挨拶を担当する人のアサイン

開会の挨拶、祝辞、閉会の挨拶を行う人を事前に決定し、準備をしておくことが大切です。スピーチの内容も事前に準備し、リハーサルを行うことが望ましいです。

挨拶を行う人の選択は、入社式の成功において決定的な要素です。適切な人物を選ぶことで、新入社員に対する歓迎の気持ちを強く印象づけ、彼らが会社の一員としての新しいスタートを切る上でのモチベーションと自信を高めることができます。

オンライン開催の場合:配信機材の用意・撮影のリハーサル

最近ではオンラインでの入社式も増えています。オンラインでの入社式開催は、物理的な場所の制限を超えて多くの人々を繋ぐ機会を提供しますが、その成功は配信の技術的な品質と事前準備に大きく依存します。配信機材には、カメラ、マイクロフォン、照明、そして配信ソフトウェアなどが含まれます。これらの機材を適切に用意し、設定することで、映像と音声のクオリティが保証され、参加者にとって見やすく、聞き取りやすいコンテンツを提供できます。

また、当日の成功のためにはリハーサルを行い、実際の配信で使用する機材の設定や配置を事前にテストし、映像や音声に問題がないか確認しておくことも重要です。発表者や司会者がオンライン環境でのプレゼンテーションに慣れ、コミュニケーションの流れをスムーズにすることもできます。これは、技術的なトラブルを事前に解消し、当日のプログラムを円滑に進行させるために不可欠になります。オンライン環境では、参加者の注意を引きつけ、維持することがより困難です。そのため、技術的な問題が最小限に抑えられ、内容が魅力的に伝えられることが、参加者の満足度に直接影響します。

盛り上がること間違いなし!入社式コンテンツ10選

採用活動における革新的な取り組みとして、企業による独自の入社式は、新入社員のモチベーション向上とチームワーク促進のための重要な手段となっています。ここでは、各企業がどのようにして、新しい社員を迎えるための独自の方法を採用しているのかを詳しく見ていきます。

サイクリング入社式:ホダカ株式会社

ホダカ株式会社は、自転車用品の開発・販売を行う企業で、新入社員向けに独自の「サイクリング入社式」を開催しています。約80キロのコースを共に走ることは、仕事の世界におけるチームワークの重要性を象徴しており、共有の体験を通じて社員同士の絆を深めます。

畑でおこなう入社式:オイシックス・ラ・大地株式会社

オイシックス・ラ・大地株式会社は、食品宅配サービスを展開する企業で、新入社員の入社式を農家の畑で実施しています。このユニークな取り組みを通じて、新入社員は生産者の苦労や工夫、そしてその想いを直接知ることができ、消費者と生産者の架け橋としての役割の重要性を深く理解します。畑での体験は、新入社員にとって仕事への情熱と理解を深める貴重な機会となります。また、入社証書を畑から「収穫」するという創造的な企画は、同期社員の絆を強化し、生産者に対する理解を促進する効果があります。

カンナ削り入社式:AQ Group

株式会社AQ Group(アキュラホームグループ)は、新入社員にカンナ削りを体験させる「カンナ削り入社式」を行っています。この体験を通じて、新入社員はものづくりの喜びと楽しさを学び、自社製品の製造過程への理解を深め、自覚を持つことが目的です。この取り組みは、同社が大切にしている「永代家守り」や「地域守り」という精神に基づいています。入社式では、社長と新入社員がカンナ削りで「匠」の文字を作成し、チームワークを育みながらものづくりの醍醐味を共有しました。

水中での入社式:鳥羽水族館

鳥羽水族館(三重県鳥羽市)は、館内最大の水槽で特別な「水中入社式」を実施しています。この入社式では、新入社員がダイビング器材を装着し、水槽内に潜って館長から直接辞令を受け取ります。このユニークな式典は、水族館の特色を活かし、来館者にも見せる新しい形の入社式として注目を集めています。

運動会ハッカソン:ボッシュ株式会社

自動車部品メーカーのボッシュ株式会社は、多様性の理解を深めるため、特に「障がい」をキーワードにしたユニバーサルアクティビティ運動会を新入社員の入社式で実施しました。当日の午前中には実施競技を決定するワークショップが開かれ、午後には競技を通じて新入社員同士の交流が深めています。この運動会は、チームで協力しながら共通の目標を目指す中でコミュニケーションが自然に促進され、ダイバーシティの重要性と理解を促進する有意義な取り組みとして評価されています。

入社式でダーツの旅:ラクーンホールディングス

東京都を拠点とする商社、ラクーンホールディングスは、新入社員のオリエンテーションの一環として「1泊2日ダーツの旅」研修を実施しています。このユニークな研修では、新入社員がチームを組み、日本地図にダーツを投じ、ダーツが刺さった場所へ社長や役員と共に訪れます。目的は単に観光を楽しむことではなく、社長や役員からの話を通じて会社理解を深めること、また、旅行中に起こり得る予期せぬ出来事への対応を学ぶことにあります。この経験を通じて、新入社員は社長や役員とのコミュニケーションに慣れ、社内での自由な発言を促進すること、さらには社会人基礎力の向上を目指します。

退職届を読む入社式:面白法人カヤック

神奈川県鎌倉市を拠点とするWeb制作会社「面白法人カヤック」では、入社式で新入社員に退職届を読み上げさせるというユニークな取り組みを実施しています。この斬新なアプローチは、新入社員に自社での目標や達成したいことを深く考えさせることを目的としており、カヤックの自由で創造的な社風を象徴しています。読み上げられる退職届は、辞める意志を示すものではなく、むしろキャリアの終わりを想像することで、どのような成果を残したいのか、どのような社会人になりたいのかを具体的に考える機会を提供します。このプロセスを通じて、新入社員は自身の目標を明確にし、理想のキャリアパスを描くきっかけとなり、さらには希望する部署への配属を目指す動機付けにもつながります。

チャットGPTを活用した入社式:パナソニックコネクト株式会社

パナソニックグループのパナソニックコネクトは、入社式で自社開発のAI技術を駆使し、社長のAIアバターを通じて新入社員にスピーチを行うユニークな取り組みを展開しました。この試みでは、チャットGPTの技術を活用し、自社サービス「コネクトGPT」を用いてスピーチ内容を生成しています。最先端技術を用いることで、新入社員に自社技術への理解を深めさせ、期待感を高める効果が期待されます。

アイロンがけ入社式:株式会社ホワイトプラス

株式会社ホワイトプラスでは、新入社員が自らアイロンをかけたシャツを着用して抱負を語る、アイロンがけ入社式を実施しています。この式典は、「服を大切にする」という基本的な価値観を共有することを目的としています。

仮装入社式:株式会社サカエ

株式会社サカエの入社式後には、社員全員が仮装して参加するユニークな祝宴が開催されます。この祝宴では、新入社員、家族、来賓を楽しませるため仮装大会やクイズ大会が行われ、参加者は驚きと楽しみを共有します。流行りのものからグループ仮装、高クオリティの衣装まで、毎年さまざまな仮装が披露され、その年のハイライトとなっています。

コンテンツが浮かばない、または実施する工数がない場合は外注してしまうのも手

コンテンツが浮かばない、または実施する工数がない場合は外注してしまうのも手

新卒採用における入社式は、新入社員にとって大切なスタートラインです。しかし、企業によっては、印象的な入社式のコンテンツを企画・実施するための時間やリソースが限られている場合があります。特に中小企業やスタートアップでは、人事部門が他の業務で手一杯で、新入社員のための特別なイベントを準備するのが難しいことも少なくありません。このような状況では、外部の専門業者にコンテンツの企画や実施を委託することが、賢明な選択肢となることがあります。

外注の利点

外部業者に入社式のコンテンツ作成を依頼することには、いくつかのメリットがあります。まず、専門的な知識や経験を持つプロフェッショナルによって、創造的で印象に残る式典が企画されるため、新入社員にとって忘れられない経験となります。また、入社式のコンテンツを外部に委託することで、社内のリソースを節約し、人事部門の負担を軽減できます。これにより、人事部門は他の重要な業務に集中することが可能となり、効率的な運営が実現します。

外部業者の選び方

外部業者を選ぶ際には、実績や専門性、コストパフォーマンスを慎重に評価することが重要です。入社式の目的や会社の文化に合ったコンテンツを提供できる業者を選ぶことで、効果的な式典が実現します。また、事前に詳細な打ち合わせを行い、期待する成果を明確に伝えることも、成功に向けて欠かせません。

まとめ

入社式は、新入社員が企業の一員として迎えられる重要な節目であり、企業文化やビジョンの共有、新入社員同士や先輩社員とのコミュニティ形成の場としての役割を果たします。この式典を通じて、新入社員は自己の新たなスタートを祝い、企業は新たなメンバーを歓迎する機会を得ます。しかし、入社式の成功はその準備にかかっています。適切な会場の確保、日程調整、挨拶を担当する人の選定、そしてオンライン開催の場合の配信機材の用意やリハーサルなど、詳細な準備が必要とされます。

入社式の目的は多岐にわたります。まず、新入社員が自分が会社の一員になったという実感を持つことが非常に重要です。企業のビジョンや価値観を共有することで、新入社員が会社に対する帰属意識を持つことを目指します。さらに、新入社員同士、または先輩社員とのコミュニティづくりを促進することも、入社式の重要な目的の一つです。共通の経験を通じて、社内コミュニティの形成を促し、円滑なコミュニケーションの基盤を築きます。

スタンダードな入社式の内容には、開会の挨拶、社長や経営陣による祝辞・スピーチ、新入社員による答辞、入社辞令の交付、記念撮影、歓迎会、閉会の挨拶などが含まれます。これらのプログラムは、新入社員が自身のキャリアをスタートさせる上での意義と、企業が新入社員をどのように迎え入れるかの姿勢を示すものです。特に、社長や経営陣によるスピーチは、新入社員に対する期待や企業文化の紹介に重要な役割を担い、新入社員が会社の一員としての自覚を深める機会を提供します。

入社式の成功のための準備には、細かな計画と実行が求められます。会場の確保と日程調整は基本ですが、挨拶を担当する人の選定や内容の準備も重要です。また、最近ではオンラインでの開催が増えており、配信機材の準備や撮影のリハーサルなど、テクニカルな側面にも注意を払う必要があります。

入社式は、新入社員が企業に対して持つ最初の印象を形成する場でもあります。そのため、企業は入社式を通じて新入社員にポジティブな体験を提供し、彼らが企業のビジョンに共感し、自らの役割を積極的に果たすための基盤を築くことが重要です。適切な準備と実施により、新入社員は自信を持って新たなキャリアをスタートさせることができ、企業は長期的な成功への第一歩を踏み出すことができます。


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