新卒採用 ピックアップ 公開日:2024/04/30 更新日:2024/04/30

【2025年卒採用】母集団形成に影響する求人倍率の状況

2025年3月に卒業予定の大学生および大学院生の求人倍率は、1.75倍となっており2024年卒の1.71倍より0.04ポイント上昇しています。 当記事では、2025年卒の求人倍率が高まる中で、どのようにすれば採用成功に結び付きやすいのか、お伝えします。

新卒マーケットの動向

2025年卒の求人倍率

リクルートワークス研究所による調査では、2025年3月に卒業予定の大学生および大学院生の求人倍率についてのデータが提供されています。この調査は、卒業予定者の就職市場の状況を示すもので、企業の採用活動と経済環境の影響を反映しています。

求人倍率の数値は、学生にとっての職市場の競争度を示す指標であり、企業がどれだけ積極的に新卒を求めているかのバロメーターとしても機能します。特に技術革新や産業の需要変化などが求人倍率に影響を与えており、これらの要因が市場にどのように作用しているかを理解することは、人事戦略を立てる上で非常に重要です。

来春2025年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.75倍と、2024年卒の1.71倍より0.04ポイント上昇しています。この数字の背後には、経済の復調とともに、企業の採用活動が活発化していることがあります。

特に、技術進歩や市場のニーズの変化に応じて、新しいスキルを持った若手の需要が高まっています。ただし、求人倍率の上昇は、すべての業界や地域で均等ではないため、業界や職種による違いを理解することが重要です。

業種別の求人倍率

建設業では大卒求人倍率が低下、流通業では上昇。それ以外では前年の水準に近い

新卒マーケットにおける業種別の求人倍率は、建設業と流通業で対照的な動きを見せています。建設業では大卒の求人倍率が低下しており、これは業界全体の景気の減速やプロジェクトの減少が影響している可能性があります。特に、大規模プロジェクトの完了や、建設コストの上昇が採用活動にブレーキをかける形となっています。

一方、流通業は大卒の求人倍率が上昇しています。これは、消費者行動の変化やオンラインショッピングの拡大が新たな雇用の機会を生み出しているためと考えられます。流通業界では、特に物流の最適化やデジタル化への対応が急務とされており、これらの分野で活躍できる新卒者への需要が高まっています。

その他の業種においては、求人倍率は前年の水準に近い状態を保っています。これは、多くの業界が新型コロナウイルス感染症の影響から安定期に入り、穏やかな経済回復を経ているためと考えられます。ただし、業種によっては技術の進展や市場ニーズの変化により、特定のスキルを持つ人材への需要が増加している場合もあります。

このように、業種別の求人倍率の動向は、経済環境の変化だけでなく、技術進化や社会的なトレンドに強く影響されています。そのため、企業側も新たなビジネスチャンスを見極め、適切な人材を確保するための戦略を練る必要があります。

「建設業」の求人倍率は、前年より4.39ポイント低下の9.35倍

新卒マーケットにおける業種別の求人倍率の中で、特に注目すべき動向として建設業の求人倍率が挙げられます。この業界では前年比で4.39ポイントの大幅な低下を記録し、現在の倍率は9.35倍にまで落ち込んでいます。この低下は、建設業界が直面しているいくつかの難題、特に経済の全体的な不確実性、資材コストの上昇、そして労働力の不足によるものかもしれません。

この数値の意味するところは、建設業界が新卒者を雇用する際の競争が以前に比べて減少していることを示しています。それにもかかわらず、建設業の求人倍率が依然として高い数値を示していることは、依然として多くのポジションが存在し、特定の技能や資格を持つ新卒者にはチャンスが残されていることを意味しています。しかし、業界の将来に対する不透明感が高まる中で、企業は採用戦略を再評価し、より効率的でコスト効果の高い方法で質の高い人材を確保するための新たなアプローチが求められています。

また、建設業界では技術の進化が求められる中で、革新的な技術や持続可能な建築方法への適応が求められています。これにより、新しい技術や方法を学ぶ意欲がある新卒者にとっては、魅力的な選択肢となる可能性があります。これからの建設業界では、従来のスキルセットだけでなく、これらの新しい技術や持続可能性への理解を持つ若手の需要が高まることが予想されます。

「流通業」の求人倍率は、前年より5.72ポイント上昇の16.21倍

新卒マーケットにおける業種別求人倍率の中で、特に注目すべきは流通業の大幅な上昇です。流通業の求人倍率は前年から5.72ポイントも上昇し、16.21倍という数値に達しています。この急激な増加は、消費者行動の変化、特にオンラインショッピングの拡大やデジタルトランスフォーメーションの進展が大きく影響しています。企業は、増加するオンライン注文に対応するため、物流管理やITスキルを持つ新卒者を積極的に求めています。

この倍率の上昇は、流通業が経済内での重要性を増していることを示しており、新卒者にとって魅力的な就職先となっています。特に、テクノロジーを活用した効率的な在庫管理や顧客データの解析に関連する職種での需要が高まっています。こうした状況は、新卒者にとっては多様なキャリアパスを選べる機会を提供しており、流通業界の中でも特に成長が見込まれる分野での就職を目指すことが可能です。

また、このような高い求人倍率は、流通業界が提供する職種の多様性とそれに伴うキャリアアップのチャンスを象徴しています。在庫や物流の最適化だけでなく、マーケティングや顧客サービス、そしてITサポートなど、幅広い分野での専門スキルが求められています。流通業界では、これらの職種を通じて、データに基づいた意思決定や顧客体験の向上に貢献することができます。

この倍率の上昇は、流通業界での競争が激化していることも意味しており、企業は優れた人材を確保するためにより良い条件を提示する必要があるでしょう。これにより、求職者はより多くの選択肢から職を選べる状況が生まれ、自分の希望に合ったキャリアを築くための優れた環境が整っています。流通業界の求人倍率の上昇は、業界の健康的な成長と新卒者に対する多大な機会の提供を示しており、これからの数年間でこの業界でのキャリアを追求する若手にとっては極めて有利な状況が展開されています。

母集団形成が難しい市場での採用のポイント

学生を「落とす」ではなく、学生に「選ばれる」ことを意識する

採用市場で母集団形成が難しい状況においては、企業が学生を選ぶだけでなく、学生に選ばれることを意識するアプローチが重要です。このような市場では、企業が学生に対して自社の魅力や価値を積極的にアピールし、候補者のニーズに合わせた採用戦略を展開することが求められます。具体的には、職場の文化、キャリア成長の機会、社会的責任など、学生が重視する点を強調し、対話や関係構築に力を入れることが有効です。

対面とオンラインのハイブリッドで採用する

母集団形成が難しい市場で採用を行う際には、対面とオンラインのハイブリッド方式を取り入れることが効果的です。この方法では、オンラインプラットフォームを活用して広範囲から候補者を集め、その後、対面でより深い関係を築くことが可能です。

特にオンラインでは、ビデオ面接や仮想説明会を通じて多くの候補者と接触できるため、より多様な才能のプールから選考を行うことができます。対面とオンラインの両方の手法を融合させることで、候補者とのより強固なつながりを構築し、効率的な採用プロセスを実現することが可能になります。このアプローチは、特に地理的な制限を超えて人材を獲得したい場合に有効です。

インターンシップを活用する

母集団形成が難しい市場での採用において、インターンシップの活用は非常に効果的な手段です。インターンシップは、実際の職場環境で学生や若手候補者に仕事を体験してもらう機会を提供し、その過程で企業文化や職種に対する理解を深めてもらいます。これにより、参加者が将来的に企業のメンバーとして働くことを希望する可能性が高まります。企業側はインターンを通じて候補者のスキルや適性を評価し、採用時により適切な判断を下すことができるため、採用の質を高めることが期待できます。

まとめ

新卒マーケットの動向では、建設業の求人倍率は前年比4.39ポイント減の9.35倍と低下している一方で、流通業は5.72ポイント増の16.21倍と大幅に上昇しています。経済の回復とともに求人倍率が上昇する中で、学生たちはより多くの選択肢の中から職を選べるようになり、企業は競争が激化する中で優秀な人材を確保するために、より魅力的な条件を提示しなければならなくなるかもしれません。このように求人倍率の変動は、労働市場の健全な動向を反映する一方で、個々の求職者と企業に新たな戦略を要求することになるでしょう。

また、母集団形成が難しい市場での採用では、対面とオンラインのハイブリッド方式、インターンシップの活用が効果的です。オンラインで広範囲に候補者を集め、対面で深い関係を築くこと、インターンシップを通じて企業文化や職種理解を深めさせることで、正社員としての希望者を増やし、採用の質を高めることが可能です。


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筆者:ナンバーズ株式会社

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